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自前のパヂ・チョゴリで演奏

ドラム・パーカッション奏者 山田貴之さん

 6日、東京・杉並で開かれた趙純美ソロ公演「美粋」に、唯一日本人奏者として出演した。10代からドラムを始め、その後、バンドを組み、アマチュアでの演奏活動を開始。97年、打楽器奏者の第一人者である仙波清彦に師事。プロデビューを果たしたあと、02年、康明洙氏に師事、チャンゴを学ぶ。朝鮮半島の伝統芸能サムルノリに初めて触れた時は、「わけがわからなかった。拍子が難しくて、盛り上がってくるとめちゃくちゃパワフル。なぜ、そんなにアツイのか」。でも、学ぶのは楽しかった。

 今回、はじめて朝鮮の曲にも触れた。「砦の春」などは、朝鮮学校出身者なら誰もが一度は聞いたことのある名曲だ。それだけに、「みんなの決まったイメージに近づけるのが難しかった」。一方、彼にいろいろと「注文」を付けたという同胞奏者らは、「こんな表現法もあるのか」と、山田流の演奏に新鮮味を感じたという。

 「日本の楽器と朝鮮・韓国の楽器は似ているところも多いけど、チンやケンガリ、チャンゴなどの音には『伸び』があるのに対して、日本の鼓や三味線などには『伸び』がない。音が『ポン』とか『ペン』と短いんだ。それが最大の違いかな。だから、同時に音を出すと、どうしても負けてる感じがする。それが妙に悔しくて」

 自前のパヂ・チョゴリを着て舞台に立つ。現在は、劇音楽、純邦楽演奏、洋楽コンサート、サムルノリの公演ほか、新国立劇場での芝居演奏や、国立能楽堂に出演するなど、国内外で世界各国の打楽器と音楽を演奏し、活動の場を広げている。

[朝鮮新報 2007.7.13]