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トウキビ畑の傍らにあなたを埋めて −都鐘煥−

 牽牛と織女もこの日だけは逢えるという七夕
 わたしはあなたを土に埋めて帰る
 かすみ草の何本かを土に埋めて帰る
 生前に服の一着もつくってやれず
 あなたが死んで初めて麻の服を着せてやれた
 あなたが手ずから麻で織った着物は近所の人に分けて
 トウキビ畑の傍らにあなたを埋めて帰る
 銀河をわたり雲をこえ
 年に一度逢えるというこの夜
 銀河の東と西 その遠い遠い距離が
 天と地の距離なのだと教えられる
 いつかあなたが土となりわたしが風となり
 ふたたび出逢う道なのだと教えられる
 畑を耕し、種を蒔き、汗を流し生きることが
 年に一度 あなたに逢える道なのだと

詩集「立葵のあなた」

(1986年12月刊 実践文学社)

 ト・ジョンファン

 1954年忠清北道の清州生まれ。忠北大国語教育科を出て、忠南大で博士号取得。国語教師をする傍ら多くの詩を発表。89年、全国教職員労働組合の運動に参加し、解雇、投獄。98年、10年ぶりに復職。現在は療養中。最愛の妻をガンで亡くした悲しみを一冊の詩集にした「立葵のあなた」はベストセラーとなった。(選訳、康明淑)

[朝鮮新報 2007.7.13]