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くらしの周辺−男は黙って家事をしよう

 「けどよく考えたらオンマたちは毎日やってるんだよねー」と妻がつぶやいた。そして「確かにありがたいけど」と付け加えた。それは先日の夜、洗濯物をたたみながら「どう? いいアッパだろ」と言った時の出来事である。

 結婚当初に比べ家事労働に対する私の「関与度」は確実に上がった。朝食の後片付けやゴミ出し、お風呂掃除はすでに日課となっているし、夕飯だってしょっちゅう作っている。にも関わらず家事における「費用対効果」、つまり投資(家事の量)に対して得られる利益(ありがたみ)の割合は、年々確実に下がっているように思える。この現実をどう捉えるべきなのか。

 周りを見回すと、わが職場には私のそれなど足元にも及ばないほどハードな「夫のつとめ」や「父親の責務」を黙々とこなしているアッパが大勢いることに気付いた。しかも彼らは仕事の方も抜かりなくキッチリとやっているではないか。それも黙々と。「ウーム、できる男は口数が少ないということか」とひとり頷いていた私は、ハッと自分が犯していた重大なミスに気付いた。すなわち「あれ、やっておいたから」と恩着せがましく言ったり、「あ〜疲れた」などと大変さを強調すればするほど、世のオンマたちは「その大変な事を毎日、何倍もこなしている自分たちは一体どうなるのよ」という意識に目覚め、ありがたさがダウンしてしまうのだ。

 アッパたちよ、さ細な事にも感謝してくれる「優しいオンマ」でいてほしいのなら、何よりもまず「家事の手伝いは黙ってやる」ことをお勧めする。(慎栄根、朝鮮大学校教育学部助教授)

[朝鮮新報 2007.9.1]