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空 −朴斗鎭−

 空が近づいてくる
 ゆっくりゆっくり
 遠くから近づいてくる

 空は、遠くからやってくる空は
 湖水のように蒼い

 湖水のように蒼い空に
 私は抱かれる すっぽりと抱かれる

 胸の奥に
 染みとおっていく空
 薫り高き空の呼吸

 照りつける陽
 初秋の陽射しで
 のどを洗い

 私は空を飲む
 しきりにのどが渇き 空を飲む

 飲み込む空に
 私が熟れていく
 りんごのように心が熟れていく

1949年

「韓国現代詩二百選」

(1992年11月 図書出版)

 パク・トゥジン(1916−1998)

 京畿道安城生まれ。1940年に鄭芝溶の推薦で「文章」誌に「香宦v「墓地頌」など5篇の詩を発表し登壇。40年間大学の教壇に立つ。趙芝薫、朴木月らと共同詩集「鹿集」(46年)を出し、「鹿派(自然派)詩人」といわれる。「陽」「不死鳥のうた」などの詩集と共に多くの評論、詩評を残す。アジア自由文学賞(56年)、芝溶文学賞(89年)など受賞。(選訳、康明淑)

[朝鮮新報 2007.10.15]