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〈本の紹介〉 朝鮮・日本問題関連重要年表(1945〜2005)

朝鮮正しく理解する格好の書

 現在、朝鮮半島をとりまく情勢はドラスチックに動いている。

 長い間、激しく対決してきた朝鮮と米国は話し合いを始め、北京で9月27〜30日に開催された6者会談も順調に進み、朝鮮の核無能力化とテロ支援指定国家解除に向けて朝米は足並みを揃えており、年内終了は確実な状況となっている。一方10月2〜4日、平壌では7年ぶりに北南の首脳が会い「北南関係発展と平和繁栄のための宣言」を発表した。この宣言は、統一の明るい前途を示すものとして私たちに大きな希望と勇気を与えてくれる。

 こうした中で「朝鮮・日本問題関連重要年表」が出版された意味はとても大きい。

 80歳を過ぎた高齢にもかかわらず、筆者はこれまでも「日本軍国主義の形成過程と朝鮮侵略」「日本帝国主義の成立と朝鮮植民地化」を執筆出版された。その健筆振りにただただ頭が下がる思いだ。

 歴史には、事実としての歴史という意味と、記録としての歴史という意味がある。年表は事実や事件を記録したものとして歴史を学ぶものにとって欠かせない。毎日大変多くの事件事故や出来事が起きており、その中で何を主な事実として年表に取り上げるかは、筆者の歴史観に全的にかかっている。この本で、筆者は朝鮮と日本の政治、経済、社会、軍事等の諸事項および朝・日関係を中心に主要な出来事を取り上げている。

 これまでも朝鮮や日本関係の年表は数多く出版されているが、それらの多くは事実や事件を羅列することに終始している。

 しかし、この本は筋書きのあるストーリーではないが単なる事実や事件の羅列ではなく、年度ごとの特徴や事件の関連性をコンパクトに整理することで1945年から2005年にいたる60年間がどんな時代であったのかを正確に捉えるうえで大きな助けとなる。年度ごとに整理されたこの部分を読むだけでも歴史の流れがつかめておもしろい。この年表のもつ特徴がここにあり、私たちを魅了する所以である。

 また巻末に朝鮮問題、朝米関係、朝・日問題を知るうえでそれぞれ基本となる資料をのせることで、朝鮮を正しく理解しようとする者にとって、格好の参考書となっている。

 ぜひ座右においていつも見てほしいものである。(白宗元編、在日本朝鮮社会科学者協会、TEL 03・3816・4335)(金和孝、社協中央会長)

[朝鮮新報 2007.10.20]