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民族の財宝、渤海文学

 高句麗の遺民によって698年に建てられ、200余年間存在した渤海(「海東盛国」=東方の隆盛した国の意)の歴史には、当時の人民が創造した輝かしい文化と伝統が体現されている。渤海の文学は、中世における朝鮮の文学発展において高い境地を切り開いた。

 渤海の文学作品は、テーマや思想的な内容において愛国的気概が強く、描写がち密で、芸術性において叙情性と叙事性が強いのが特徴である。こんにちまで伝わっている詩「夜にきぬた打ちの音を聴いて」がその代表作である。詩は、遠い異郷で故郷と父母妻子を懐かしむ主人公の心理を情感豊かに表現している。12の連から成るこの詩は、渤海使臣の楊泰師が8世紀中葉に日本で創作したものである。このほかにも、王孝廉の詩「月を見つつ故郷を考えて」をはじめ各文学作品は、祖先の高潔な愛国心を生き生きと映し出している。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2007.11.2]