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シニア女性たちの健康ツアーに同行して 「団塊の世代をシャッキリ」

「人の世話にならず、自立して暮らしたい」

朝の健康体操も一生懸命

 「人々が健康でいきいきとした生活を送るお手伝いをしたい」−こういう思いで始めたという「麻Vャッキリカレッジ」。スポーツプログラマー、健康運動指導士の李節子さん(58)が代表を務める。

 李さんが厚生労働大臣認定の健康運動指導士の資格を取得したのは2年前。生活習慣病や介護予防などその人の状態にあった運動処方のプログラムを作って、健康法を指導しようとするもの。自身が団塊の世代ということもあって社名も「団塊の世代をシャッキリ世代に」という思いを込めてその名をつけた。

 現在、女性同盟の支部や同胞介護施設、日本の有料老人ホームなどでリハビリ体操専任講師として活動中だ。その李さんが企画した健康ツアー・1泊2日の伊豆・河津の旅に同行した。

 出発は10月21日、午前10時発の「踊り子」号。東海道線のホームに50〜70代までのシニア女性ら10数人が集まった。初参加の人もいれば、すでに顔見知りの人もいる。

2人一組で握力と屈伸の測定を行う参加者たち

 「お久しぶりね」「はじめまして」のあいさつが飛び交ったあとは、たちまちうちとけ、笑い声が弾ける。

 最高の秋晴れに恵まれ、心もウキウキ。電車が走り出しても、女性ばかりの気楽さにたちまちあちこちで話の花が咲く。

 3時間弱で河津駅に到着。宿までは約20分、マイクロバスで走る。紅葉にはまだ早く、山の緑に映えるみかんや柿の黄色がかろうじて秋を感じさせてくれる。

 宿について旅装を解くと、本来の「健康ツアー」らしい指示が李さんから飛ぶ。

 「4時からセミナーを始めますので、大広間に集まってください」

 「はーい」。いっせいに元気いっぱいの声があがった。

 ツアー参加者たちは、普段から健康に注意を払い、散歩やハイキング、柔軟体操などを生活に取り入れている人ばかり。調布市から来た川原さん(72)、小幡さん(70)、谷内さん(66)は2カ月に1回、日本国内の小旅行に、2年に1度は海外旅行を共にする仲間。来月は八丈島に旅するとか。「心身ともにハリのある暮らしをしなければ…。好奇心と知的刺激を絶やさないように努めています」と3人の表情は明るい。

 セミナーが始まった。李さんからまず、脳のトレーニングを兼ねた自己紹介をするように指示が出された。「自己紹介の前に、前の人の紹介をもう一度繰り返すこと」。つまり、物忘れ防止のために、常に脳を働かせて置くことと、隣の人に関心を払い、友だち作りを積極的にするという一石二鳥の狙いがあるとか。この最初の関門はみんなパスできて一安心。

 続いて、身長、体重、血圧、握力測定、屈伸運動の後は気功の話。「気功の気は元気の気、天気の気、空気の気、やる気の気です」とわかりやすい。「気功を通じて、心と身体を調和させ、長寿をめざしましょう。人間は宇宙の中の存在。食や自然を通じて人間は生かされている。食べ物や生活習慣が侵されると気の流れが悪くなって、健康に害を与えるようになります」。

 気の流れを阻むものとして李さんが挙げたのは、@食品添加物A重金属B環境ホルモンC住環境の悪化。ダイオキシンや発がん性物質などの汚染から身体を守り、気功を通じて免疫力を高めようと力説した。その後約1時間の気功体操で心身も爽快になった後、待ちに待った温泉へ。河津の名産・抹茶をふんだんに取り入れた抹茶温泉が大好評だった。

 夕食も地元の駿河湾で取れた金目鯛を筆頭に山海珍味が並び、食欲をそそる。「旬のものを添加物なしで食べる」ことの大切さをみなで実感した。

 翌朝も天気に恵まれ、朝10時に宿を出発、富士箱根伊豆国立公園内の七滝へ。徒歩1時間ほどのコースだ。

 ところどころにサルビアやコスモスが咲きほころぶ。コバルトブルーの清流と水しぶきをあげて流れ落ちる滝に歓声があがった。

 美しい景色と健康を求めようとする意欲。流した心地よい汗。

 蕎麦屋を45年、本屋を営んで半世紀近く、電気屋も何十年…。家族を支え、働き詰めだったシニア女性たち。すでに夫を見送り、一人暮らしの人もいる。

 「愚痴をこぼさず、日々感謝の気持ちを持ち、前向きに生きていきたい」という人ばかり。李さんはじめ何人かの同胞女性たちと出会い、「冠婚葬祭はじめ日本の文化のルーツは朝鮮文化」との認識も深まったという日本女性もいた。

 心も体も健康になり、新たな友人に出会って、リフレッシュ。この世代の女性共通の「人の世話にならず、迷惑かけず、自立して暮らしたい」という思いに触れた旅だった。(朴日粉記者)

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 シャッキリカレッジ=TEL&FAX 03・5709・3238

[朝鮮新報 2007.11.2]