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文芸同第5回舞踊コンクール 「舞踊は生活の一部」

 在日本朝鮮文学芸術家同盟第5回舞踊コンクールが11月23日、東京都北区の朝鮮文化会館で開かれた。東京、神奈川、西東京、東海、大阪、兵庫支部から51人が参加し19演目をひろうした。同コンクールは、舞踊部員らの技量向上と絆を深める目的で、2002年にスタートした。今年も参加者らは各地で日ごろ練磨してきた成果を発揮し、競い合った。

貴重な存在

群舞「名勝の国」(兵庫)

 開会式で総連中央民族圏委員会・金尚一副委員長は、「異国で朝鮮舞踊を広く普及している文芸同のメンバーたちは、民族性を守っていく組織の貴重な存在である。これからも、引き続き第一線で活動してほしい」とあいさつをした。コンクールは、基本動作から始まり、群舞、重舞、独舞部門(それぞれ成人組、青年組別)に分かれて行われ、11人の審査員により審査が行われた。

 コンクール後、平壌音楽舞踊学院通信学部の卒業生らによる5作品が発表された。1年に2回、それぞれ3年間と5年間、身を削りながら朝鮮を訪れ、舞踊を習ってきた。卒業生らは、「芸術の最高殿堂で習えたことは、人生の宝物」「舞踊を通して地域の同胞社会に貢献し、後輩たちに朝鮮舞踊をひろめ、祖国と組織の配慮に応えられるように活動していきたい」などと話した。

 続いて表彰式が行われ、文芸同中央・任秀香舞踊部長が講評をし、成績と特別賞を発表した。最後に、文芸同中央・金正守委員長が表彰状と副賞を受賞者らに授与し、閉会した。

居心地のいい場

重舞「山河の歌」(大阪)

 5回目を迎えた同コンクール。実行委では、1年前から準備に取り組んできた。春には金剛山歌劇団の団員を講師に、各地方での講習も行った。メンバーはみな、仕事や家庭を持つ。それぞれの事情を抱えながらも、週に1、2回の練習に足を運ぶ。みなで時間を合わせるのも一苦労。練習に出られない時は、個人練習で補う。また、こうしたコンクールに遠方から参加する場合は、負担がかかり家族の理解が必要だ。会場には、子ども連れの姿もちらほら。

 みな口をそろえて「舞踊が大好きだから」と言う。舞台で舞うその表情からは、舞踊を愛する思いがひしひしと伝わってくる。「舞踊は生活の一部」であり、無心に踊ると安心感を得られる、居心地のいい場だと快活に語る。

重舞「チャンゴの舞」(神奈川)

 大阪支部の金里美さん(43)は、「年だから踊れないと言うのではなく、いくつになってもこうやって踊れるということを自分の姿をもって伝えたい。この場は、悩みも分かち合える一つの家族のようなもの。舞踊をやっているからこそ、仕事や家庭の困難も乗り越えられる。今、踏ん張って次世代に引き継がれるように良い土台を築きたい」と言う。

 金伶奈さん(22)が属する西東京支部の朝青組は、メンバーが1人。群舞を踊りたくても難しい。「西東京地域にも舞踊を愛する人たちは必ずいるはず。仕事などで条件は難しいが、同世代の女性たちと一緒に踊りたい。また、舞踊で同胞社会に貢献し、子どもたちに教えていきたい」と語った。

 3年間のうちに各地域で催された文芸同や舞踊研究所の舞踊公演の観覧者は、延べ2万余人。12月21日には、東海支部の発表会「響舞2007」が予定されている。(文=姜裕香記者、写真=盧琴順記者)

【成績】

−群舞部門

 成人組 金賞「鈴の舞」兵庫、銀賞「高句麗チャンゴの舞」兵庫、「トゴの舞」東京、銅賞「ばち鈴の舞」東京

 青年組 1等「名勝の国」兵庫

−重舞部門

 成人組 金賞「牡丹峰」大阪、銀賞「チャンゴの舞」神奈川、銅賞「鈴の舞」東京

 青年組 1等「山河の歌」大阪、2等「素晴らしき祖国の山河」東京、3等「我がチャンダンが良い」兵庫

−独舞部門

 成人組 金賞「太鼓の舞」許花月(東海)、「パラの舞」鄭悠衣(東海)、銀賞「太鼓の舞」金純恵(大阪)、銅賞「貝の舞」鄭眞(西東京)

 青年組 1等「小鼓の舞」李由姫(兵庫)、2等「若き舞姫」金伶奈(西東京)、3等「扇の舞」沈愛実(兵庫)

−特別賞

 女性同盟中央賞「高句麗チャンゴの舞」兵庫

 東京青商会賞 東京

 団体賞 兵庫

[朝鮮新報 2007.12.5]