top_rogo.gif (16396 bytes)

第14回全国クラブラグビーフットボール大会 高麗クラブが堂々4強入り

目標は全国制覇、選手権出場 「来年こそ秩父宮へ」

 東京闘球団の「高麗クラブ」が第14回全国クラブラグビーフットボール大会に13年ぶり2度目の出場を果たし、初戦を快勝、続く準決勝で敗れた。決勝戦が行われるラグビーの聖地・秩父宮ラグビー場には立つことができなかったが、日本全国の社会人クラブチームが約1100ある中での4強入りは堂々たるもの。「来年こそ秩父宮へ」と雪辱を誓うメンバー。そして次の目標は、同大会を制覇して日本選手権に出場することだ。

 クラブラグビー最高峰の大会「全国クラブラグビー大会」に、一度は地獄を見たチームが晴れの舞台に立った。ここで優勝すれば日本選手権への出場資格が得られる。

 高麗クラブ。7年前に失格処分を受けて1年間の公式戦出場停止、02年に東京都4部から再スタートした。それから最短の4年で1部昇格、去年、東日本トップリーグで3位となり今大会出場を果たした。

 屈辱を味わった男たちは、チーム一丸となって全国大会を目指してこの舞台に立った。強風が吹くなか行われた7日の初戦は九州王者の帆柱クラブ(福岡)だ。

 「総合ではうちが勝っている」。相手の戦力分析のためにわざわざ福岡まで出向いた姜宗卓代表(35)はそうにらんだ。

相手のタックルをかいくぐり突破を図るNo8呉昇哲選手(8日、準決勝)

 前半11分に出鼻をくじかれトライとゴールを許すも、高麗は23分、相手ゴール10メートル前左から右へ振り、最後は金英学選手のトライで息を吹き返した。続く38分にもトライとゴールを成功させ逆転し、12−7で前半を折り返した。

 後半はペナルティーが目立つ高麗がすきをつかれて8分にトライ、ゴールを許した。スクラムで圧倒する帆柱だったが、ラインアウトを制した高麗が試合の流れをつかんだ。12分、金隆男選手がパスダミーからの60メートルの独走トライとゴールを決め、19−14でリードした。そこから5点差をしのぎきった高麗が初戦をものにした。

 つづく8日の準決勝。相手は、外国人選手3人を擁する日本のクラブトップレベルのチーム、北海道バーバリアンズ。今シーズン一度敗れている相手だ。

 高麗は前半、強力なFW陣に対して低いタックルで応戦したが、つないで展開する北海道の攻撃に対して前半早々簡単にトライを許してしまう。反面、高麗はすきをついて2トライを返した。14−31で前半終了。後半は開始早々トライを奪われるが、20分に相手7番選手が退場処分に。ここから高麗は反撃に出た。一時は10点差まで詰め寄る猛攻を見せたが、一つひとつのミスを逃さない北海道が終盤に連続トライを奪って高麗を突き放した。21−50でノーサイド。

準決勝。ノーサイドのホイッスルが鳴り、敗れて肩を落とす高麗クラブの選手たち

 現役最年長としてチームを引っ張ってきた姜代表は、今シーズン限りで現役を退くことを決めた。

 「今までやってきたことに悔いはない。現役最後で全国大会の舞台に立てたことを誇りに思う。今後は若い世代の育成に励みたい」。姜さんは、将来は指導者の道に進もうと決めている。

 申ハンソル主将(29)は、「悔しいけど相手が強かった。これから1年間がんばって優勝できるチームを作りたい。つねにトップレベルで現状に満足しないでやっていきたい」と意気込みを語った。

 各地の社会人闘球団で強豪として名を馳せてきたのは大阪の千里馬クラブだ。全国クラブ大会の第1回から13回大会まで連続出場を果たしてきたが、今大会は出場できなかった。大会出場を賭けた関西クラブAトーナメントの準決勝で敗れ、連続出場記録がストップした。

 第1回大会が行われたのは1993年。同大会に出場した4チーム中の2チームが高麗クラブと千里馬クラブだった。初戦で両チームが対戦し、千里馬クラブが勝った。同大会で千里馬クラブが準優勝、高麗は3位だった。千里馬クラブは4回大会でも準優勝している。

初戦の対帆柱クラブ戦。前半38分、No11李忠烈選手のトライ

 姜宗卓さんは自身のホームページのブログでこう書いている。「在日ラグビー、千里馬が強くないとおもしろくない。来年は一緒に全国クラブ選手権に行こう。やっぱり俺はお前たちの後を追ってきた気がする。在日ラグビーの強さの証明はグラウンドでしかできない…」。

 朝鮮民族の象徴をチームネームにする高麗クラブと千里馬クラブ。懐に低く鋭く入るタックルを身上とするのが在日ラグビーだ。その熱い在日ラグビーの精神が両チームには宿っている。

 今大会、両チームでの出場は叶わなかったが、全国クラブラグビーの決勝戦の地・秩父宮ラグビー場で戦う日が来るのもそう遠くないかもしれない。(金明c記者)

[朝鮮新報 2007.1.10]