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〈在日バスケ協会のページ〉 初級部第10回、中級部第27回 関東学生バスケ選手権大会結果

初級部 男子 埼玉、女子 東京第3が優勝、中級部 男子 東京第4、女子 東京朝中

 第10回在日朝鮮学生関東地方初級学校バスケットボール選手権大会(6〜8日、東京朝鮮文化会館)と第27回在日朝鮮学生関東地方中級学校バスケットボール選手権大会(7〜8日、草加総合SP、東京朝鮮文化会館)が開催された。初級部は男子7チーム、女子13チーム、中級部は男子8チーム、女子7チームが出場した。観客たちの大歓声、うれしそうに飛び回る選手に泣き崩れる選手、学父母たちの涙と笑顔、天を仰ぐ監督の姿と数々のドラマがそこにあった。

初級部講評

−男子

 予想通り混戦になった男子トーナメント。決勝は東京第1×埼玉。お互いゾーンディフェンスを選びインサイドを固めた。なかなかインサイドに入れない東京第1は、我慢の限界からかアウトサイドシュートを打ち出す。リバウンドからのシンプルな速攻で埼玉が得点を重ねていく。対する東京第1はスティールからの速攻で点を返すが、アウトサイドシュートがことごとく決まらない。終始リードした埼玉が念願の初優勝を果たした。

 埼玉は予選で西東京第1との接戦などがメンタル面に影響したのではないだろうか。全体的にレベルの向上が感じられたが、基礎ファンダメンタルの徹底指導は今後も永遠の課題だ。

−女子

 決勝は東京第3×東京第4。接戦を制し決勝まで上がってきた東京第4。残り数十秒まで勝敗の行方がわからなかった千葉との一回戦、埼玉との準決勝延長戦は感動を与えた好ゲームであった。予選を難なく勝ち上がってきたヘバラギチャンプの東京第3。「冬に弱い第3と言わせないチームに仕上がった」と康哲敏監督。

 第4は第1クオーターで8点差をつける。試合が大きく動いたのは第2クオーター。後半型の東京第3の攻撃に備え、何とか前半をリードで折り返したい東京第4であったが、第3のガードのゲームコントロール、センターのポストプレーがチームに活気を与えた。後半、東京第3はポストプレー、ターンオーバーから徐々に点差をつけた。しっかりとしたゲームメイクで東京第3が「冬の選手権」を制した。

 女子決勝にはほかにも千葉、埼玉、東京第2など、どのチームが上がってきてもおかしくはなかった。女子は参加人数も多く、基礎練習も徹底されてきた。今後の課題点は、子どもたちが状況に応じてプレーを選択できる臨機応変さと理解力を育てること。「勝ちたい」と強く思ったチームが混戦を制するのだと、つくづく感じた。

中級部講評

−男子

 決勝は東京朝中×東京第4。部員数28人の朝中に対し、部員数6人の東京第4。第4はファールレスでゲームを進めないといけない状況。試合は観客を感動の渦に巻き込んだドラマチックな展開となった。

 両チームともにハーフコートマンツーでスタート。前半、両チームとも決め手を欠き、第4が2点リードで折り返す。ゲームは3クオーターに動いた。今大会最優秀選手である東京第4の金修徳主将の力強いペネトレイトからのジャンプシュートがおもしろいように決まり10点差をつけた。朝中はプレスからのスリーポイントなどで2点差まで追いつき中央大会王者の意地を見せるが、東京第4に焦りはなかった。おもしろいように決まるパスランと終了前、バスケットカウントで試合を決め6点差でゲームセット。東京第4のディフェンスがすばらしい試合であった。

−女子

 決勝は予想通り東京朝中×東京第4。第1クオーターで第4の変則的なダイヤモンドディフェンスに攻略の糸口が見出せず苦しむ朝中。第2クオーターからは持ち前の速攻と、飛び込みリバウンドでリズムを取り戻した。

 第4は第3クオーターから1−2−1−1プレス、起死回生の3連続スリーなどで1点差まで迫る。朝中はたまらずタイムアウトをとりオールコートマンツーにシフトチェンジ。朝中の激しいプレッシャーの前に東京第4は最後まで打ち勝つことができずゲームセット。東京朝中が夏冬連覇を達成した。男女ともに強いプレッシャーディフェンスが光る試合であった。(審判部)

△試合結果

−初級部

 男子 @埼玉A東京第1B西東京第2C東京第4
 女子 @東京第3A東京第4B埼玉C東京第2

−中級部

 男子 @東京第4A東京朝中B埼玉C東京第1
 女子 @東京朝中A東京第4B東京第1C埼玉

大切な「選手と監督の絆」

 予選を見ながらいつもと違った点があった。試合終了後、デジタイマーに表示された「15:00」の数字。「いつも4、5分なのに?」。試合間がやけに長い。しかも体育館が暖かい。冬場の試合ということでアップの時間をたくさんとり、朝高OB会などの協力で暖房も入れ、選手たちのパフォーマンスを高めるという主催者側の計らいだ。「子どもたちに最高の舞台を」という関係者の心使いでもある。

 今年度最終大会を終えながら思う。勝負とは時に非情である。延長Vゴール、大敗、ケガ…。勝利の陰には敗北があり、敗北を通じて学ぶものもある。監督も人間、褒める時もあれば怒る時もあり、時には途方に暮れる。そんな時、励ましてくれるのは子どもたちである。集合写真撮影時、先生のメダルがないからと本部席に尋ねてくる選手。練習したシュートを決め、監督へ向けガッツポーズをする選手。タイムアウト時、先生の指示に全神経を傾ける選手。「選手と監督の固い絆」こそが、一番大事なものなのかもしれない。(コリアンバスケットボールネット編集部)

[朝鮮新報 2007.1.25]