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李冽理選手 僅差で負ける 日本ランカーへの決意新たに

 ボクシングの「第63回ダイナマイトパンチ」が23日、東京・後楽園ホールで行われ、朝大出身のプロボクサー、李冽理選手(24、横浜光ボクシングジム所属)が出場した。李選手は、日本S・フェザー級の日本ランキング9位、竜宮城選手と対戦(8R)し、7R負傷判定負け(相手選手の出血による)を喫した。これで李選手のプロ戦績は8戦6勝(3KO)1敗1分。李選手は、「最終ラウンドまで持っていけていたら…」と悔しさをにじませ、一日も早い日本ランカー入りへの意欲をにじませていた。

さらにキレ味を

相手を果敢に攻め立てる李冽理選手(左)

 会場では試合前から70人を超す赤いTシャツ姿の「応援団」が青コーナー側を陣取っていた。李選手の兄弟、その友人同胞、バイト先の同僚、朝大の同窓生ら、在日ボクシング関係者らだ。

 試合はこの日のメインイベント。李選手の入場と同時に後楽園ホールが「応援団」の声援で揺れた。

 「リョルリー!」「レツリー!」

 「Letsu」などの刺繍が彫られた黄色のトランクスをまとい、李選手がリングに登場した。対戦相手である沖縄ワールドリング所属の竜選手は18戦15勝(12KO)1敗2分の強豪。李選手よりも経験に勝る。しかし手数、スタミナに自信を持つ李選手が、在日同胞の意地とプライドを拳に込め、果敢な姿を見せた。

 序盤、試合は李選手がワンツーなどで良いリズムをつかむ。1R終了時には、右手を上げ観客に勝利を確信させるパフォーマンスも見せた。しかし3Rに相手の右フックをアゴにもらう。それでも足を使いリズムをとった。激しい打ち合いから放ったコンビネーション、コーナーへの追い込みなどで攻め立てるが、カウンターをもらう場面も見られた。

 互いが鋭いパンチを浴びせあった終盤、偶然のバッティングにより竜選手の顔面に血が流れた。7R2分10秒の出来事だった。竜選手にドクターストップがかかり試合続行不能に。それまでの判定は66−67、67−68、67−68。リング上で上がった手は竜選手の手だった。

 「手数、ボクシングの質では李が勝っていたものの、ハードパンチャーである竜選手の実績がプロの世界でものを言った」「パンチは当たっていたから、もう少しキレ味をつけるべき」だと横浜光ボクシングジムの関光徳会長。試合後、シャワーを浴び終えた李選手は「応援が力になった」としながらも、「悔しい。バッティングの判定も納得がいかない。いち早くランカー(日本ランカー)になることが目標」と会場をあとにした。

同胞らに希望を

 李選手は大阪府出身で、大阪朝高ボクシング部時代には▼「第11回全国高等学校ボクシング選抜大会」優勝(バンタム級、2000年3月)、▼「全国高等学校総合体育大会」8強(バンタム級、2000年8月)、そして朝大ボクシング部時代には▼「関東大学ボクシングリーグ3部トーナメント戦」3連覇(バンタム級、2001〜2003年の第54〜56回大会)、▼「第74回アマチュアボクシング選手権大会」(ライト級、2004年11月、東京ブロック代表)準優勝など活躍した。2004年7月には、在日本朝鮮人体育連合会第19回大会で「朝鮮民主主義人民共和国体育名手称号」として表彰されている。

 2005年3月の朝大卒業式の際には「朝鮮人らしく、朝大卒業生らしく一生懸命戦い、活躍していきたい。洪昌守選手のようなすばらしい選手になって、同胞たちに希望を与えたい」と披瀝している。

 アマチュア時代の戦績、経験を糧に、その誇り高き拳で在日同胞に勇気を、夢と希望を与えてもらいたい。(文−李東浩記者、写真−盧琴順記者)

[朝鮮新報 2007.4.26]