〈在日バスケ協会のページ〉 「初夏の熱風」 |
●関東中級部新人戦結果 【男子】 優勝 東京第5、準優勝 東京第1、3位 西東京第1、4位 神奈川 【女子】 優勝 東京、準優勝 東京第4、3位 埼玉、4位 東京第1 ●第14回関東春季大会講評(一般) 最新の設備を整えたさいたま市記念体育館での開催となった。事務局の計らいで中学新人戦の決勝、3位決定戦も同時に行われた。各チームは、中央大会前とあって、チーム力が向上しているようだった。男子決勝は、接戦のすえに朝大を下した東京朝高と総連東京の「師弟対決」。新戦力の活躍も目立った総連東京が勝利した。一方、東京朝高も思い切りのあるプレーを見せた。女子リーグでは、総連東京が東京朝高に敗れるという波乱があった。しかし、東京朝高はオンマーズに敗れ、総連東京がオンマーズに勝利するなど、結局、得失点差で総連東京が連覇した。6月30日から始まる中央大会に向け、各チームはイージーミスをなくすことが第一の課題であろう。 ●コリアMBC宇和島遠征(第10回片岡杯西日本ミニバスケットボール交歓大会結果) 対愛南 14−43● (戦績は4勝2敗。練習ゲームは省略) 5月3日。ゴールデンウィーク真只中の羽田空港、朝8時集合。在日朝鮮学生初級部籠球連盟は、コリアMBC女子チームを初遠征に送った。会場は東京から遠く離れた愛媛県宇和島市。参加選手15人、引率教員3人は、初遠征ともあってやや緊張気味。期待と不安に胸躍らせる私たちを乗せ、飛行機は雲の上高く舞い上がった。 1971年に四国で初のミニバスケットボールチームを結成し、数多くの優秀な成績を収め、現在は県バスケットボール協会全般、家庭婦人籠球チームの監督を兼任している片岡定勝氏(64)。大阪オンマーズが、全国大会で広島に行ったとき、大阪オンマーズ監督の康勲会長(在日本朝鮮人中央籠球協会会長)と同じ宿舎に片岡監督率いる愛媛県代表チームが宿泊した。「バスケ談義」に花が咲き、2人はすっかり意気投合。朝鮮学校チームの存在を知った片岡氏の招待を受け、今回の遠征に至ったのである。 試合は練習ゲーム2試合、本戦で4試合を行った。地元愛媛のチーム、高知、岡山、香川、広島、鳥取からなる女子のみの15チーム。そしてコリアを含め全16チームでのトーナメント。全国レベルのチームもあり、県ベスト4〜8以上のハイレベルなバスケットが展開される大会であった。そんな中、あまりにも経験の浅い選抜チームがどこまで力を発揮できるか不安が募るばかり。3日間で6試合。結果は前述のとおり。「バスケ漬け」の生活に、子どもたちはたくましく成長した。3泊4日の強行軍ではあったが、選手、スタッフ一同、貴重な時間を過ごせた。大会優秀選手(各チームから1人)には、金珠英主将が選ばれた。 大会を終え、松山駅近くの焼肉店「国際亭」での夕食。お店の看板に見る「災壱奄」の文字。もしや同胞か?(同胞の店とは知らずに予約したため)店に入るやいなや、「東京第4? なんや、東京から来たのか!」と、あっというまにその場は同胞愛に満ちたウリ焼肉店になってしまった。サービス満点、栄養満点。子どもたちは肉で栄養をとり、大人たちは子どもたちの笑顔に元気をもらう。外は冷たい雨が降っていたが、みんなの心の温かさに、テンションは下がることがなかった。 この遠征が、数多くの協力によって実現されたということも書かずにはいられない。こんなにステキな遠征に送ってくれた方々に感謝したい。遠征に行って感じたもの−それは感謝の気持ちの重要性である。大会役員および各チームの監督、選手、保護者の方々。大会中、わたしたちの面倒を見てくれた方々。たくさんの成長を遂げ、ナイスプレーで会場をにぎわした選手たち、そんな選手たちを送ってくれた保護者たち。費用の面でたくさん協力をしてくれた関係者の方々に敬意を表す。そして、少しずつ恩返しがしたい。 大会中に行われた懇親会で、各チーム監督たちは、口をそろえこんなことを言っていた。「私たち監督は、優秀なバスケットボール選手を育てるためにミニバスを教えるのではなく、ミニバスを通じて人を育てているということを常に忘れてはならない」。 この姿勢は、ウリハッキョの部活のあり方によく似ている。この体制を維持しつつ、技術の向上を図るのがこれからの目標である。遠征を終えた選手たちは、夏のヘバラギカップに向けて猛練習をしているだろう。互いの強み、弱みを知る選手たちが火花を散らすとなると、おもしろい展開が期待される。(崔鐘徳監督) ●東京初級部新人戦結果 【男子】 優勝 埼玉、準優勝 東京第4 【女子】 優勝 埼玉、準優勝 東京第2、3位 東京第4、4位 東京第3 (男子優勝チーム、女子4位までは第5回ヘバラギカップシード権獲得) 【講評】 男子決勝は埼玉と東京第4。序盤、東京第4がテンポ良く得点を重ねていくが、2Qから埼玉はビッグセンター中心に得点を重ねていく。正確なフォーム、ショットの確率は超小学生級である。終わってみると、オフェンシブなプレーで埼玉が圧勝した。女子決勝は予選を難なく勝ち抜いた埼玉と準決勝で昨年度チャンプの東京第3に圧勝した東京第2の好カード。1Q埼玉リード、後半から東京第2が追い上げ、シーソーゲームを展開。埼玉はフリースローも正確に決め、1点差で新人戦初優勝を果たした。今年度新人戦は、ハイレベルな試合が多かった。夏の全国大会までに各チーム、修正、強化を果たしてもらいたい。 編集後記「審判の質」 数年前のことである。ハーフタイムに、ある小学生が「アレを着けている審判がいい」と監督に申し出た。「アレ」とはワッペンのことである。わが大会でも公認審判や、ミニ連ワッペンをつけた審判を以前より見かけるようになった。もちろんワッペンをもっているからうまいと言うわけではないが、資格を持っている審判員は他者よりルールを理解していることは確かだ。とりわけ大会は、帯同審判制なので、ルールをわかっていなくても審判をせざるをえない状況だ。前述の生徒は、ファウルを「ちゃんと」取ってもらえないいらつきがあったのだろう。しかし、ルールを知らない人ほどジャッジに対し、不必要なアピールをする。なぜなら、ルールを知らないからである。審判も人間であるから間違える場合もあれば見落とすこともあるが、指導者ならばせめてルールはしっかりとわかっておきたい。審判は裁き手ではなく、教え手であるのだから。【コリアンバスケットボールネット編集部】 [朝鮮新報 2007.5.31] |