府大会で優勝した東大阪中級ラグビー部 目標は「全員朝高から花園へ」 |
大阪市中学校春季大会、大阪中学校総合体育大会で見事優勝した東大阪朝鮮中級学校は、創部から7年目にして初めてのタイトルを手にした。大阪同胞の「希望」がまた一つ花開いた。 みんなの夢、花園
近年、ラグビーの強豪校として全国区で名を馳せるようになった大阪朝高だが、その道のりは東大阪中級ラグビー部の存在を抜きにしては語れない。 というのも、「全国大会」を目前に敗退を繰り返していた朝高をより強くしようとOBや愛好家らが尽力し2001年度、東大阪中級にラグビー部を創部した経緯があったからだ。「花園」で活躍する朝高ラガーマンの多くがここを巣立っていったのだ。 同校がある東大阪市はラガーマンの聖地「花園」の所在地であり、ラグビーの街として有名だ。アボジ世代の中には朝高でラグビーを経験した同胞も多い。そんなアボジや朝高の先輩の活躍を見て育った子どもたちは、自然とラグビーを楽しむようになった。初級部の頃から、街のラグビースクールに通う子どもたちも多い。
ラグビー部創部当初から監督を務める康徳守教員(28)は「生徒たちの夢はいつも、みんなで朝高に行って花園(全国大会)に出場すること」と語る。府大会決勝の応援に駆けつけた同胞たちも「花園で優勝を」と口をそろえる。まさに「希望の星」となっている。 金寛泰主将のアボジ・金鍾河さんは「子どもたちは試合ごとに成長している。彼らの活躍は同胞たちの力になっている。今回の結果に満足せず、朝高に行ってぜひ花園で勝ってほしい」と語る。 大会を通じセンターで活躍した金勇輝選手(3年)は、同部初代主将の兄と大阪朝高ラグビー部主将を務めた父の影響で幼い頃からラグビーに打ち込んできた。「仲間たちと一緒に一生懸命練習して試合に勝ったときは、個人競技のそれより何倍もうれしい」とラグビーの魅力を語る。金勇輝選手もまた「朝高から花園」を口にする。 全勝、圧倒的な強さ
東大阪中級ラグビー部は今年度、全戦全勝を続けてきた。市大会で5勝、府大会4勝もすべて圧勝。一番の「接戦」でさえ37点差だった。決勝戦でも、先制トライこそ許したものの9トライ9ゴールで63−10とまったく相手を寄せ付けなかった。スピード、パワー、テクニック、すべてで上回り、何よりもチームの団結力に目を見張るものがあった。 幾度となく中央突破から独走し、トライを決めたセンターの権裕人選手(3年)は「相手を抜いたら絶対にトライを奪うという気持ちだった。学校のみんなの応援で気持ちでも勝てた」と語った。 「先制されたけど、みんなで声を掛け合って最後までたたかった」と語るスタンドオフの朴成基選手(3年)は、9ゴールすべてを成功させた。タッチライン際からの難しいキックを成功させるたびに歓声がわいた。 監督就任当初、「指導力不足」で結果がだせなかったと語る康徳守監督は「選手たちは何よりも気持ちで勝っていた。いつも応援してくれる学父母やOBの期待に応えられてうれしい」と語った。 中学校のラグビー全国大会はない。秋の近畿大会が最大の目標となる。しかし、部員たちが目指すものはやはり「朝高から花園」。金寛泰主将は「まずはこのチームでこれからも全戦全勝を続けたい。(そして)中3の部員16人みんなで朝高に行って花園に出たい」と意気込みを語った。(李泰鎬記者) [朝鮮新報 2007.6.20] |