top_rogo.gif (16396 bytes)

〈2007インターハイ〉 競泳 100メートル平泳ぎで自己新

京都・蔡知怜選手

 全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の競泳競技が17〜20日、佐賀県総合運動場水泳場で行われた。京都朝鮮中高級学校の蔡知怜選手(高1)は17、20日の女子200メートル、100メートル平泳ぎの2競技に出場したが、それぞれ予選記録14、13位で決勝へは進めなかった。

健闘するも予選落ち

100メートル平泳ぎで自己ベストを更新した

 20日午前に行われた女子100メートル平泳ぎ予選。蔡選手は、応援にかけつけた同胞らの熱い視線と京都の選手たちの大きな応援を感じながら、スタート台に立った。

 スタート合図とともに飛び込むと、序盤からぐんぐん水をかいた。50メートルのターンは34秒67でトップ通過。手に汗握る同胞らの声援もいっそう大きくなる。そして他選手を牽引するかのように100メートルを1位でゴールした。同胞らのどよめきが聞こえるなか、電光掲示板には1分13秒42の記録が表示された。

 しかし、同記録は予選に出場した50選手中13位で8位の選手までが出場する決勝へは進めなかった。

 一方、女子200メートル平泳ぎ予選(17日)では、50選手中14位の記録(2分36秒62)で決勝に駒を進めることはできなかった。

大舞台でど根性発揮

同胞と会うと、自然と笑みがこぼれた(左から3番目)

 200メートル平泳ぎの時に比べ、ウォーミングアップも万全で体が軽かったという100メートル平泳ぎで、蔡選手はそれまでの自己ベスト(昨年の国体)を0秒89縮めた。インターハイという大舞台での記録更新だ。

 そのためか競技を終えた蔡選手の表情には、笑顔がはじけていた。「久しぶりに最初から速度を出せた。全力で行けた。やっぱり水泳はおもしろい」。

 予選落ちはしたものの、「どんな試合でもベストを尽くしたい。常に上を目指し、懸命に練習したい」とこれからの決意を語り来年、再来年大会への期待を十二分に抱かせた。

 一方、「全国大会の決勝に残りたい。そしてトップ選手になりたい」との思いは、苦しい練習を乗り越えるパワーの源でもある。蔡選手は指導者とともに家族や学友など、周りからの声援が自身を支えていると強く感じている。「今日まで水泳を続けられてきたことは自分だけの力ではない」。常にまわりへの感謝を忘れずに日々の練習に取り組んでいるようだ。

「これからが楽しみ」

 京都朝高には水泳部がないため、教員らが技術指導することはできない。それでも蔡選手は、朝鮮学校の生徒としての誇りを胸に全国大会に出場した。

 試合を見終えた京都朝高・金允善校長は「全国で13(100メートル)、14(200メートル)番目の成績を残す生徒がわが校にいる。とても大きな栄誉ですばらしいこと。たくさんの学父母らに知らせていきたい」と語った。

 一方、「表情がとても良かった。これからが楽しみ」「堂々たる成績。蔡選手は多くの幸福を私たちにくれた」と感慨深げに話していたのは九州の同胞たち。

 蔡選手にとっては、見ず知らずの同胞たちだが、その応援が「本当にありがたかった」と蔡選手は振り返った。

 升田哲雄コーチは今後の課題について、「精神力、スピードの向上」だと指摘する。さらにストローク数を減らし大きく泳ぐことでエネルギー消費を抑え、後半に強くなると、さらなる飛躍への道筋を立てていた。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2007.8.22]