朝鮮テコンドー示範団初訪米 5都市で公演 |
朝鮮のテコンドー示範団が4日から17日まで米国を初訪問、各地でパフォーマンスを披露し好評を博した。選手、役員ら18人(男=16人、女=2人)で構成された示範団(団長=ペ・ヌンマン朝鮮テコンドー委員会副委員長)は、ロサンゼルスを皮切りに5都市を巡回、会場を熱狂の渦に巻き込んだ。 選手、市民と交流
朝鮮の伝統武道テコンドーの選手団が、史上初めて米国の地を踏んだ。 今回の訪米は米国「テコンドータイムス」誌の招請で実現した。 示範団は4日午後1時22分、ロサンゼルス空港に到着。空港で、主催団体「テコンドータイムス」誌のチョン・ウジン社長、ロス公演責任者のユ・ビョンヨン・ワーナーブラザーズ副社長や現地の同胞、統一運動団体メンバーらが「北部祖国のテコンドー親善訪米代表団を歓迎します」と書かれた大型横断幕や統一旗を掲げ、選手、関係者を熱烈に歓迎した。張雄・国際テコンドー連盟総裁(国際オリンピック委員会委員)も示範団に合流した。 チョン・ウジン社長は「過去15年間、北のテコンドー選手を呼ぼうと努力したが、朝米間の政治問題に阻まれてきた。今回ついに歴史的な米国訪問が実現した」と、感慨深い表情で語った。 全米巡回公演は6日、ロサンゼルス市内CBS放送局スタジオの屋外広場で幕を上げた。舞台で繰り広げられる華麗で力強い演武に、約3000人の観衆は熱狂し感嘆の声を上げた。 公演はサンフランシスコ(7日)、アイオワ州シダーラピッズ(10日)、ケンタッキー州ルイビル(13日)、ジョージア州アトランタ(14日)と続いた。会場は連日の超満員。5カ所で1万人以上の観客を集めた。 選手は行く先々で市民や在米同胞の熱烈な歓迎を受けた。同胞が多く住むロサンゼルス以外は、観衆の大半を米国人が占めた。観客が選手に駆け寄りサインをねだるなど、各会場では選手と市民との交流も盛んに行われた。 シダーラピッズでは、市長自らが選手を訪ね、激励した。人口10万人あまりの同市は示範団の訪問に際して、10月第1、2週を「国際テコンドー週間」に制定、歓迎ムード作りを進めるなど注目を集めた。ルイビルでは、朝鮮の民族衣装を身にまとった市民が選手と腕を組みながら入場する演出に、会場が大いに盛り上がった。 在米同胞インターネットメディア「民族通信」は、示範団の訪米公演を「統一運動の歴史、そして朝米和解の歴史において画期的な出来事。テコンドーは世界平和に貢献するだろう」と伝えた。 「武術外交」 米メディアも朝鮮テコンドー示範団の訪米を大きく取り上げた。新聞やテレビは、対中修交のきっかけとなった「ピンポン外交」になぞらえて、「マーシャルアーツ・ディプロマシー(武術外交)」と表現した。 地元メディアも、公演の様子や観衆の反応などを詳しく伝えた。アイオワ州のテレビ局は、今回の公演が「米国と北朝鮮との友好親善を深める」と報じた。地元紙も興奮に包まれた会場の様子を紹介。「パワー、テクニック、全てが印象深い」「すばらしいショーだ」など、訪れた市民の感想を紹介した。 日程を終えたペ団長は、「市民、関係者の熱烈な歓迎に感謝する。温かく接してくれた市民の姿勢に大きな感銘を受けた」と述べた。また、今回の米国巡回公演について、「テコンドーのすばらしさを伝えられた。在米同胞、米国市民、選手が一つになった気分」と満足そうに話した。(李相英記者) [朝鮮新報 2007.10.19] |