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春・夏・秋・冬

 「美しい国」(安倍)内閣の支持率低下が止まらない。何をしているのかよくわからない、というのが理由だそうだ。朝米核問題を論議する6者会談の最優先事項に拉致問題を掲げたり、年初からの訪欧でも同様のスタンスを取るなど、何のための会談で外遊なのか、本質からずれていると言うことか

▼担当記者たちの話を聞いていると、安倍内閣はそれぞれ「気位の高い」人たちの寄せ集めで、各自が一城の主を過剰意識して腹を探りあい、かといって見合った能力があるでもない。調整者もおらずバラバラだという

▼「美しい国」造りの一環、いや本質的な課題として位置づけている教育改革や憲法改正、さらに核武装論などについて元「文芸春秋」編集長の半藤一利氏は、戸高一成氏(大和ミュージアム館長)との共著「愛国者の条件」の中で「歴史は繰り返すという言葉が浮かんでくる」と指摘する。侵略戦争へと繰り出していく昭和初期と現在の日本の状況を比較してのことである

▼その内容として「教育の国家統制(歴史教科書問題と教育基本法改正)」「情報の一元化、国家統制(通信傍受法、個人情報保護法)」「弾圧法の徹底(共謀罪法案)」「暴力装置の発動(圧力団体による言論封殺活動やテロ行為)」の4点を挙げる。一方で戸高氏は「約束を守」り「責任をとる」国が「美しい国」だとの持論を展開

▼国や郷土を愛する気持ちは自然な感情。そこに国家が介入し強制しようとすると、「愛国教育は実は軍国教育だった」戦前に逆戻りすると危惧する。一面的ではない歴史教育の必要性を痛感する。(哲)

[朝鮮新報 2007.1.24]