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6者会談「2.13共同文書」に基づく五つの作業部会がすべて開催され、終了した。9.19共同声明実現のための「共同文書」履行の前提だった、米国の対朝鮮敵視政策の象徴であるマカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)に対する金融制裁も解除された。解除したあと、どうするのかは中国・マカオ当局の判断によると米国は主張している ▼偽ドル云々と容疑をかけておきながら、証拠はいっさい提示せずに丸投げをした格好だ。当然のように中国・マカオ当局は「大国に翻弄された」と大反発。しこりは今後も残りそうだ ▼それぞれの作業部会、真摯な討議を経たようだが、唯一、取り残されたのが日本である。核問題、ひいては朝鮮半島、東北アジアの平和問題討議に拉致問題の解決を前提にし臨んだ。内容は本紙記者の現地報告に詳しいが、首相、官邸の強気とは裏腹に、現場の空気、反応を直接知る日本代表団はさぞかし頭が痛いことだと思う ▼聞くところによると、官邸が代表団頭越しで米国側に「拉致前提」を節目節目に強調しているとも。その頭の中には、夏の参院選挙対策しかないという。それが事実なら政治利用にすぎない ▼何回か本欄でも指摘してきたが、朝鮮側の立場は「共同文書」を粛々と履行していくこと。ただし「行動対行動」、米国や日本などが同時履行すれば、の条件が付くことは当然だ。初期段階措置履行終了の時点で、なおも日本が前に進もうとしなかった場合、それは米中など4者と日本の問題になる。それでも安倍首相は楽観論を吐き続けるのだろうか。(彦) [朝鮮新報 2007.3.20] |