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あたかも核問題と拉致問題双方の解決を望んでいるかのような日本のメディア。しかし6者会談の報道を見ていると、本音が違うところにあることがありありとしてくる ▼産経新聞(20日付)は、「6カ国協議 北朝鮮のペースに乗るな」と題した社説で、マカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)問題での朝米間の合意を「米国の信じられない譲歩」だとする一方、朝鮮主導で会談が進むことへの不快感を露骨に表している。朝日新聞に至っては、「北朝鮮の拉致問題をめぐる6者協議」と表現したうえで、多くの参加国が拉致問題と関連し朝鮮の姿勢を批判したとまで書いた(20日付の電子版) ▼本紙特派員の現地報道にもあるように、会談場の周辺では、日本がまたも国内世論をミスリードするために6者会談での論議の内容をわい曲している、との声が支配的だという ▼BDA問題で協議が進展していないことについても、「会期延長で参加国が合意」と客観的に報道している中国の人民日報電子版や南朝鮮の連合ニュースとは違い、日本のメディアは「北朝鮮悪し」の前提で報道している。ねつ造番組問題が今も尾を引いているテレビも、こと朝鮮問題に関しては「何でもあり」だ ▼朝鮮を「悪者」にできればどんな些細な「ネタ」でも大きく取り扱い、「ネタ」がなければでっち上げてでも「悪者」に仕立てる。そこからは、問題を解決しようという真摯な姿勢はまったく見受けられない。問題を先送りするのは簡単だ。しかし、そのツケは必ず返ってくるということを忘れてはならない。(国) [朝鮮新報 2007.3.23] |