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春・夏・秋・冬

 6者会談の「10.3合意」履行に向けた作業が実施されている中、朝米関係の現状を示唆するような出来事が起きた。米海軍艦船による朝鮮船舶救出作戦である

▼10月30日、アフリカ東部ソマリアの首都モガディシオから北東約110キロの海域で、朝鮮の「テホンダン」号(6390トン級)が海賊に襲われた。同船は、クアラルンプールの国際海事局に無線連絡し支援を要請した

▼要請を受けた海事局はバーレーンにある、米・英・仏・独軍で構成された連合海洋軍司令部に救出を要請。司令部は「テホンダン」号から90キロ離れた地点で作戦中だった米駆逐艦「ジェームスウィリアムス」号に救出命令を下した。同号はすぐさまヘリコプターを現場に急派、後を追いかけ同日、昼ごろ現場に到着。「テホンダン」号乗組員たちと共同作戦を展開し、同乗組員たちが海賊8人を取り押さえた。その過程で乗組員3人が負傷し海賊3人が死亡した

▼負傷者が出たという連絡を受けた米駆逐艦は、衛生兵3人を「テホンダン」号に乗り込ませ応急処置した後、駆逐艦に移し本格的な治療を行ったという。その後、朝米がどういうやりとりを行ったのかは報じられていない

▼米国防総省のモレル報道官は、記者会見で救出劇について質問を受け「海賊にはわれわれも苦しめられているためだ」と答えた。一方、ワシントンの外交消息筋は「人道主義の見地から救出したようだ」と述べながらも「米軍の迅速な作戦は北朝鮮に良い印象を与えたはずだ」(中央日報1日付)と語り、思惑もあったことを吐露した。(哲)

[朝鮮新報 2007.11.5]