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春・夏・秋・冬

 南朝鮮大統領選挙の行方が混沌としてきた。支持率で先頭を走る野党の李明博・ハンナラ党候補、懸命に後を追いかける与党の鄭東泳・大統合民主新党候補に加えて、なんと前回選挙で盧武鉉大統領に敗れ、政界を引退したはずの李会昌・元ハンナラ党総裁が突如、出馬宣言したのである

▼北南首脳対面・会談、そして宣言の発表を受けて中道にシフトし始めた李明博候補に対し、李会昌は保守本流を自認し出馬会見で「左派政権からの政権交代」をぶち上げた。さらには「憲法改正」「対北政策及び外交政策の根本的な再定立」などを公約として掲げた。要するに6.15共同宣言以前の北との対決路線復帰を鮮明にしたに等しい

▼李会昌の出馬について、その可能性は夏頃から取り沙汰されてきた。支持層の重なる「ハンナラ党の候補選出選挙で敗れた朴槿恵前代表の勢力が画策してきた」という指摘が一部でなされている。そのことを裏付けるように、李会昌は出馬宣言とともに20%台の支持率を獲得したが、そのほとんどが朴槿恵支持層で、地域的にも朴の強固な地盤である慶尚北道で40%近い支持を得ているという

▼投票日まで1カ月余、ハンナラの分裂選挙となれば冒頭で書いたようにまさに混沌。しかし、分裂を煽って総体としての支持率を拡大し直前に一本化するという策略かもしれない

▼6.15共同宣言、そして「わが民族同士」共存、共栄の道に入った現状、さらに6者会談合意が第2段階に入った朝米の状況−ハンナラ党の「対決理念」が入り込む余地はない。(彦)

[朝鮮新報 2007.11.9]