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春・夏・秋・冬

 「一連の総連弾圧と在日朝鮮人に対する人権蹂躙事件の根底には、日本社会に根強く残っている朝鮮人べっ視がある」。3日から開催されている2007「在日朝鮮人歴史・人権週間」のさまざまな講演会で、多くの識者が口をそろえて指摘していることだ

▼「人権週間」で強調されているのは、朝鮮が外交権を奪われた1905年条約の時点から在日朝鮮人問題が発生したということ。強制連行犠牲者の遺骨問題や現在、日本社会にまん延する朝鮮人排外風潮もここに起因する。そのため、在日朝鮮人問題の根本的な解決のためには、歴史をさかのぼって振り返る必要がある

▼また、硬直化しつつある日本社会の問題点も浮き彫りにされた。日本が人工衛星を発射する際、国交のない朝鮮には事前通告をしない。しかし、朝鮮が同様の対応をすると「けしからん」の大合唱が始まる。識者たちは、「自分と他者の相対化ができなくなりつつある」と警鐘を鳴らしている

▼一方で、日比谷大音楽堂や金剛山歌劇団公演の会場使用問題については、在日朝鮮人に限った話ではなく、表現と集会の自由を侵すもので日本人にもおおいに関係のあることだ。マスコミでは報じられていないが、いわゆる「左翼系」の団体や出版社に対する強制捜索も各地で行われている

▼朝鮮半島情勢が転換しつつある中、日本はいまだ軌道修正できずにいる。このままでは「蚊帳の外」に置かれるのも時間の問題だろう。「在日朝鮮人問題は日本の問題」と言われて久しいが、この言葉の意味するところを真剣に考えるべきだ。(国)

[朝鮮新報 2007.11.14]