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春・夏・秋・冬

 6者会談米代表団首席代表のヒル国務次官補が訪朝する。6月に続くものだが、半年の間に米政府の大物が2度も平壌を訪れることはむろん異例だ。9.19共同声明の履行を急ぐ両国の強い意思を垣間見て取ることができる

▼かと思っていたら、朝鮮労働党統一戦線部の金養建部長一行が南を訪れた。10月の北南首脳対面・会談の北側の実務責任者だ。ヒル国務次官補の行動はなんとなく読み取れていたが、金部長のソウル訪問は突然の発表

▼朝鮮問題担当記者たちの慌てぶりは相当なもので、ある記者は「ヒル国務次官補はソウルから平壌に向かう。そのソウルに金部長が来る。彼らに付いて回ることは人海戦術で解決できそうだが、政治的にどういう意味を持つのか、フォローするのが大変だ」と悲鳴を上げている。おりしも、来月投票の大統領選挙も公示されたばかりで、そちらも追わなければならない。「記者冥利に尽きるのでは」との指摘には「乾いた笑い声」の返答しかなかった

▼平壌とソウル、北京、そしてニューヨークを舞台にした接触と対話。何か抜けていると思ったら東京の名前がない。唯一、独自制裁を続行している日本がいま、どういう境遇にあるのかがうかがえよう

▼その東京に向け、ビクター・チャ前6者会談米代表団次席代表がニューヨークでのセミナーで「日本は拉致問題解決に向けた『進展』を示す『測定可能な』客観的基準を設定すべき」とボールを投げた。同じような問いは、安倍政権時代にも繰り返し行われてきた。自縄自縛の日本、そろそろ終章だろうか。(彦)

[朝鮮新報 2007.11.30]