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春・夏・秋・冬

 拉致問題対策本部は、4日から2日間の日程で外国メディアの特派員を対象に「拉致問題啓発ツアー」なるものを開催した。「拉致問題への理解を深めてもらう」のが目的だという

▼4日には、中山首相補佐官が特派員らと懇談。懇談会では、特派員らが「米国はテロ支援国家の指定から朝鮮を外す流れがある」と指摘。これに対し同補佐官は「そうなる前に北朝鮮が誠意ある態度を示すよう、さらに説得を重ねなければいけない」と強調したという

▼朝米関係が進展し、年内にも「テロ支援国家」の指定削除が囁かれている中、いまだ独自の単独制裁を続けている日本政府の関係者が、「説得を重ねる」というのもおかしな話だ。「対話と圧力」という矛盾したアプローチからは、問題の解決を本当に望んでいるのかどうかも見えてこない

▼安倍前政権下での対朝鮮強硬策が何の「実り」ももたらさなかったのは周知の事実だ。逆に6者会談の進展の中で、日本は孤立しているとの指摘を受ける始末。拉致家族会の代表は「これまでの運動をそのまま踏襲するのがいいのかどうか」と発言するほどだ。そうした状況下での「啓発ツアー」、逆に「『拉致』に縛られた日本」の姿を外国特派員に印象付けただけではないだろうか

▼米国政府は、「指定解除と拉致問題は関連付けられていない」(ケーシー国務省副報道官)との立場をたびたび表明している。米日関係を損なってでも定義が曖昧な「拉致問題の解決」を叫び続けるのか。対話を強調している福田政権、「次の一手」を真剣に考えるべきだろう。(国)

[朝鮮新報 2007.12.5]