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春に思う

 この春、上の子2人が卒業を迎え、長女は社会人1年生、長男は大学生になる。次男もまた、高級部3年に進級する。

 それぞれが思い出深い母校を後にする。

 上の子が初級部1年生になった時、同級生は誰もいなかった。1人で学校生活を送る娘が不憫で何度涙したことだろう…。それでも先生たちの温かい指導のもと、娘はすくすくとわがままいっぱい(?)に過ごした。そんな母校もなくなり、遠距離通学で初めてクラスメイトを得てから13年間、一貫して民族教育を受けてきた。下の兄弟もまた同じである。

 バタバタと子育て、学校生活を送った20年間だった。

 子どもたちは新幹線通学も、寄宿舎生活も体験した。日本の学校ではできないことをこの子たちは身を持って経験できた。そしてそれを、至極当たり前のこととして受け止めてきた。

 でも、これからは少しずつ違ってくるだろう。日本の社会に飛び込んで、彼女(彼)たちは何を思い、どんな風に生きていくのだろうか。

 何をするにもお金が優先する社会、白昼堂々と総聯機関や学校までもが強制捜査される今日の在日コリアンの前途には、厳しい試練が待ち受けている。

 そんな道のりをこの子たちは歩いて行くのだ。

 子どもたちよ、あなたたちのがんばる姿を見るのが一番の楽しみだ。それは、この先も変わることはないだろう。

 なぜなら、それがオモニたちの力の源であるのだから…。(李英姫、女性同盟静岡、非専従)

[朝鮮新報 2007.3.10]