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サッカー小僧

 長男はこの春、6年生になった。自他共に認めるサッカー小僧だ。「オモニ、リフティング1000回目標やねん!」と言い残して今日も朝練に出かけた。

 初めてサッカーボールを与えた時、彼はキャッキャッと声を出しながら投げた。アボジとボールを蹴りあった。一人でも何十回、何百回も壁に向かってひたすら蹴り続けた。初級部1年の時、初めて試合に出た。空振りの連続だったがユニフォームを着てトンムたちとその場にいられるだけでうれしかった。低学年の時、キーパーに憧れた。部屋の中で何度もキーパーのまねをした。ドスンドスンとマンション1階に響いた。下の住民が怒鳴りこんできた。「お宅、気は確かですか?!」。懲りずに今度は隠れてドリブルの練習をしていた。

 朝高が全国大会の切符を勝ち取った京都府の決勝戦。あまりにも劇的なゴールに目を輝かせていた。「全国大会に出たい!」夢が大きくふくらんだ。あれから4年、高学年になってたくさんの試合を経験した。一つのボールを無我夢中に追いかける。転んでも痛くても何度でも立ち上がる真剣な眼差しは決して彼一人だけではない。

 彼はサッカーを通して多くのことを学んだ。ゴールを決める楽しさ、難しさ、最後まであきらめない強い心、力を合わせるということ、みんなと分かち合う最高の喜び、チームの中の自分という存在、感謝の気持ち。

 サッカーは人を育ててくれる。私の子育ては、「サッカーに助けられていたんだな」と切に思う今日この頃である。(金良江、民族学級講師)

[朝鮮新報 2007.4.14]