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「民間親善大使」

 東京在住民間朝・日親善大使を自任する私、「明るく楽しい在日コリアン」のイメージ普及のために奮闘している。

 息子が卒園した保育園からの「助けて鄭さん! 日本語が全然話せない韓国から来たお母さんがいるの!」という電話に、辞典片手にママチャリで駆けつける。韓国ドラマの原作本を訳してくれと言われたら、睡眠時間を削ってでもきっちり仕上げる。学童クラブのバーベキューで肉の味付けを任されたら、頼まれてもいないのにナムルやチャプチェまで作ってニコニコ配り歩く。そんな私を見て、あるお母さんが言う。

 「テス(息子)母って、父母会とかではかなりキツいこというけどさ、こういう時すごくかいがいしいよね。米国の大学の研究室にいる友人が、普段教授とやりあっちゃうようなコリアン女性の、ホームパーティなんかでの面倒見の良さに惚れて、今度結婚するって。みんなそうなのかな?」

 聞かれて笑いながら黙って飲んでいる夫を見て、ふと思った。影の親善大使は夫だったのか? だって私、うちじゃ全然かいがいしくないも〜ん。夫こそ、朝、子どものお弁当作りに鬼気迫る形相の私に紅茶を入れ、残業の日には、子どもと一緒に爆睡中の私を起こさず自分で晩御飯をチンし、チェサのときなんぞ、髪振り乱してチヂミを焼いたり肉を串刺しにしている私に恐れをなして、黙って洗濯物をたたんでくれる。えらいぞ、夫! そこで反論せず、コリアン女性の地位向上のために沈黙してくれてありがとう。(朴明姫、オモニ会役員)

[朝鮮新報 2007.9.8]