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「明るい未来に向けて」

 パッチギの井筒監督がラジオ番組で「在日の不幸な歴史」について力説してくれていたのだが、話が現代に至ってまであまり不幸不幸と連発するので思わず「在日であることは不便だけど、不幸じゃないのにな」とつぶやいた。

 実はこれ、乙武洋匡さんの「五体不満足」の帯カバーに、障がいについて書かれていた言葉。読んだ途端「ぴったり!」と思いそれ以来、私自身の在日というイメージを表すのに使わせてもらっている。

 自分で選んでこのように生まれたわけでもないのに、自分らしく生きるためだけにも余分な努力が必要、生活においては行政の待遇にさえ不便を強いられる。外から見ると充分不幸に見えるんだろうな。正直、この状況をを最初からポジティブに考えられる人などいないだろうけど。幸か不幸か私たちには、それに背を向けることも逃れる術もあるのだからして。

 ただそれは「ありのままの自分を肯定して生きる」という、人間としてもっとも大切なことを失うことだと思う。だからこそ、子どもたちが成長しながら不便さに耐えかね(限られた職業の国籍条項などのために)、仕方なくそれを選ばなくても済むように、オモニとしてはその不便を一つでも解消するべく、絶えず声を上げていきたいと思うわけである。例えば、JRにウリハッキョの子どもたちの学割定期券を認めさせた先輩たちのように。

 全国のたくさんのオモニたちが子どもたちの明るい未来に向けて、できることからひとつずつ。あ、もちろん、アボジたちもがんばってよね。(朴明姫、オモニ会役員)

[朝鮮新報 2007.12.1]