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総連京都・南山城支部 金善則顧問にウトロの同胞、町内会が感謝状

感謝状を手渡される金善則顧問

 京都府宇治市ウトロ地域の同胞と町内会が12月9日、ウトロ住民集会を開き、40余年間ウトロを守るために献身してきた総連京都・南山城支部の金善則顧問(82)に感謝状などを手渡した。

 集会に参加した同胞と住民、日本市民らは表彰された金善則顧問に感謝の気持ちを伝えながら、大きな拍手を送った。

 総連南山城支部会館は、ウトロの中心に位置している。総連は解放直後からウトロに朝鮮学校と支部事務所を置いて、こんにちまで地域同胞とともに暮らし、ウトロを守るためのたたかいを導いてきた。とくに、金善則顧問は40年以上にわたって総連支部の活動家として同胞のためにすべてをかけて活動してきた。

 ウトロ地域の住民は、総連と民団という団体の違いを乗り越えて、誰もが問題が起きたときには顧問を訪ねて相談し、顧問も彼らを誠心誠意支援した。そのため、地域の同胞たちはもちろん、彼らを支援する日本市民も金善則顧問を心から尊敬している。

 ウトロには、日本の植民地時代に軍用飛行場の建設に動員された1世たちの血と涙が染み込んでいる。戦後長きにわたって同地域は地方自治体と政府による各種の社会経済的施策の適用から除外され、初歩的な生活権すら保障されずあらゆる差別を受けてきた。

 ウトロの同胞たちは、過去に行われた土地裁判(1989〜2000年)の不当な判決により、「不法占拠者」のレッテルを張られ生存の権利と居住権を奪われたばかりか、いつ「強制退去」させられるかわからない不安と恐怖の中で暮らしている。

 総連南山城支部の活動家と同胞、支援者らは、「団結して最後までたたかおう」と地権者との土地一括売却交渉のために、生活保護世帯と高齢者が多い中でもできることはすべてやり、地道にたたかい続けてきた。そんな折の2年前、金善則顧問は脳梗塞で倒れた。

 総連京都府本部と支部の活動家たちは、闘病生活を続ける金善則顧問に代わってウトロ問題と関連して同胞たちとの連携を深める一方、各地に「ウトロ支援募金活動」を訴えて支援金を集めるなど、実践を通じてウトロの同胞たちの力になってきた。

 今回の集会は、最近に入って問題解決の糸口が見え始めた現況を報告し、これまでの功績を称え感謝の意を伝えようと住民たち自らが感謝状などを手渡そうと提起し行われた。

 金善則顧問は涙で頬を濡らしながら、「これからも一生懸命仕事をして、ウトロを守っていこう」と語った。

 「強制退去」の危機を乗り越えたウトロの同胞たち。その中には、40年以上の間、同胞とともにウトロを守る運動の中心にいた金善則顧問の姿があった。【京都支局】

[朝鮮新報 2008.1.15]