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同胞による同胞の介護 ホームヘルパー2級への道 −9−

実習−介護療養型医療施設、笑顔を絶やさない「考えるヘルパー」と出会った

 いよいよ実習である。

 資格取得に必要な条件は概ね4つあり、レポートを提出し及第点を獲得していること、講義及び演習をすべて受けていること、受講費を納めていること、実習を済ませていることである。実習以外の3つの条件を満たしたことで、ヘルパーへの道も折り返し地点を過ぎたと言える。

 介護療養型医療施設での実習は、夜勤者からの申し送りを受けることから始まった。患者の体温、血圧、状態などが淡々と報告され、その場にいた実習生を除くすべての者がこれをつぶさに記録していく。

 今日は「入浴(機械浴)の日」。患者の様態にはとくに注意が払われていた。

 「現場では日々の記録が重要視される」と語った講師の言葉が脳裏をよぎる。

 この介護療養型医療施設にいる患者の介護度は4〜5である。介護度5とは全面介護を意味する。

 どのように接すればよいのだろうかという不安を看破するかのように、介護士チームの副リーダーが「いかに介護度が重いといえ、(人が)『いる』『いない』ことはもちろん認識しているし、『楽しい』『さびしい』などそのつど患者さんはメッセージを送っています。会話はなくとも心で感じることは出来ます。たくさん話かけてあげてください」と教えてくれた。

 そして、実習において学ぶべき重要なポイントは食事、排泄、入浴の介護がいかに行われているかを捉えることだと言った。

 午前には入浴と平行して、シーツ交換が行われた。シーツ交換なら人並みにできる、早速出番だと思ったのもつかの間、習ったものとまったくやり方が違った。我ながら役立たずである。

 シーツの裏を結ぶここでのやり方は、患者の状態に鑑みて最善のベッドメイクを模索した結果だと言う。また、同様の施設では定着しつつあるやり方だとも。どうやらテキストにあった「考えるヘルパー」とは彼らのことを指すようだ。

 介護士たちは、いつも笑顔を絶やすことはなかった。「楽しくてしょうがない」と言う。いきいきとした表情と素晴らしいチームプレーは本当に圧巻だった。

 (次回は、東京都指定通所介護事業所での実習。元気な利用者がいっぱいで、済州島訛りに大苦戦)

(鄭尚丘記者)

ワンポイントレッスン 講師からのメッセージ

 朝のオリエンテーションをよく聞いていただき、今日一日当院の介護士からの指導に真剣に取り組まれました。介護の大変さを心に感じられたようですね。今後のお仕事の参考にしていただければと存じます。お疲れさまでした。(実習施設より)

[朝鮮新報 2008.1.25]