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第26回高麗野遊会 散策、焼肉、歌と踊りで交流

雨の中223人が参加 「人と人のふれあいは友好の基本」

数多くの公演で会場は盛り上がった(写真は朝大プンムルノリサークルの「セマチ」)

 第26回高麗野遊会(主催=同実行委員会)が11日、埼玉県日高市の高麗神社で行われた。小雨が降りしきる中、同胞や日本市民ら223人が参加、高麗郡の歴史を学び、散策しながら、焼肉や歌と踊りを堪能した。

 今年も、先発隊と後発隊に別れ、散策を楽しんだ。

大きな将軍標(チャンスン)が立つ高麗駅に集った先発隊の一行は、日和田山や巾着田を眺め、あいあい橋を渡り、路肩に咲く花や草木に目を細めながら、高麗神社へと遊歩した。

 神社手前の聖天院で後発隊と合流し、歴史家の琴秉洞氏から同神社の祖であり、高句麗からの渡来人である高麗王若光について説明を聞き、高麗王若光陵などを見て回った。

景色を眺め、散策を楽しむ参加者

 神社ではまず、劇団「青年劇場」の団員らが6月から巡演が始まる「族譜」についてアピールし、続いて劇団「ピープルシアター」の団員らがショート芝居を披露した。

 また、高麗神社60代宮司である高麗文康氏が、2016年に建郡1300年を迎える高麗郡と、同神社の誇り高き歴史について参加者たちに説明した。

 高麗川へ下りた一行は、川辺で七輪を囲みながら、交流を深めた。

 その間、女性同盟埼玉西部支部「オモニチャンゴサークル」のサムルノリや金剛山歌劇団の女性歌手・全明華さんらによる歌、ダンスチーム「はなこりあ」の踊り、「青年劇場」の団員らの歌、朝鮮大学校のプンムルノリサークル「セマチ」によるサムルノリなどが披露され、会場を盛り上げた。

 「オモニチャンゴサークル」の斎藤せつさんは、「大勢のコリアンと会えるとてもすばらしい集い。隣に座った人とすぐに親しくなれたし、何よりも『いっぱい食べて』と料理を分けてくれるオモニたちの親切さが嬉しい」と微笑んだ。

七輪を囲みながら互いに親ぼくを深めた

 同実行委員の誘いを受け足を運んだ「青年劇場」の船津基さんは、「若い人たちが多くて、パワーがあり、とても良い交流の場だと思う。日本の人たちにもこの楽しさを分けてあげたい」と話した。

 今年は、多くの朝大の学生らが参加し、場を沸かせた。金光日さん(経営学部4年)は、「遠い昔にも、日本で朝鮮の人々がコミュニティーを作って、一つの村を拓いていたことに驚いた。また、将軍標などを見て、高句麗人の文化が色濃く残っていることが嬉しくもあり、不思議だった」「個人レベルでは、交流も深め、いろんな可能性が広がっているのに、政治や国家レベルになると、友好関係がゆがめられてしまうのは歯がゆいし、偏見で断絶してしまうのは悲しい。お互いに見習うこともあるはず。きちんと歴史を知り、互いを理解し合う努力をしなければ」と語った。

 終盤には雨もあがった。約3時間、おいしい焼肉とお酒に舌鼓を打ち、互いの話に花を咲かせ、踊りの輪も広がり、楽しく意義深いひと時を過ごした。

 同実行委の古田武さんは、「人と人とのふれあいは、友好の基本。このような交流は、日朝の友好発展に必ずつながるだろう。また今年は、朝大の学生らが多く参加し盛り上げてくれた。若い人たちの力は大きい。これからは、若い人たちが中心になり、推進していってくれれば。もっと多くの日本人の学生らも参加するように呼びかけることが、課題になった」と感想を残した。(文=姜裕香、写真=文光善記者)

[朝鮮新報 2008.5.16]