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チョモランマ登頂

 娯楽、スポーツ、職業として広く親しまれている登山。天候の変化によって命を落とす危険もあるが、何にも代えがたい達成感があると在日同胞登山家の鄭義哲さんは話す。

 鄭さんは5月23日にチョモランマ(8848メートル)への登頂に成功し、世界で一番高いところに統一旗を掲げた。これで3年3カ月で7大陸最高峰―セブン・サミットを達成したことになる。

 鄭さんを支えたのは、在日本朝鮮人登山協会をはじめ同胞の理解と支援だったという。言葉ひとつひとつに力がある。

 鄭さんによると、チョモランマでは昼と夜で温度差が80度ほどあるという。太陽の照り返しもきつく、風がないと暑い。標高約5250メートルでは日中50度。山頂ではマイナス26度だった。また、1時間に2リットルから3リットルの酸素量で頂上を目指す予定だったが、疲労困憊したシェルパ(ヒマラヤ登山を支援する高地少数民族)が途中で先に行ってしまったため酸素が足りず節約し、頂上までの2時間半は1時間に1.5リットルずつを使った。

 鄭さんは7大陸最高峰すべてで統一旗を掲げた。統一旗のほか、頂上まではいろんなものを持っていった。なぜか。

 「自分が登るだけ、というのはなにかに欠けている。なにかのために、だれかのためにがんばる。これが極限の状態では励みになる」(鄭さん)

 かつて未踏峰であったチョモランマ登頂を目指した登山家は、「そこにチョモランマがあるから」と話した。鄭さんのように志高く、いつか人生のチョモランマ登頂を果たしてみたい。(東)

[朝鮮新報 2008.6.16]