top_rogo.gif (16396 bytes)

同胞生活奉仕福祉 連続基礎講座1回目 同胞高齢者福祉 制度理解し、「生きがい作り」を

 「トンポアイネット拡大21」において同胞生活奉仕福祉事業を活発に展開していこうと専門家、有資格者らによる連続基礎講座(総連中央権利福祉委員会主催)が12日、東京・上野の朝鮮商工会館で行われた。第1回目のテーマは「同胞高齢者の『自立支援』におけるデイサービス、マダンの重要性」。ケアマネージャー(介護支援専門員)で介護認定審査員の金慶令さんと太成学院大学の文鐘聲専任講師が講師を務めた。

ホームヘルパーや活動家の姿が目立った連続講座

 金慶令さんは、介護保険制度の仕組み、利用上の注意点、今後のゆくえについて業務実践に基づいて解説。サービス内容として、通所介護の「デイ」や訪問介護、訪問看護、訪問入浴、短期入所介護の「ショートステイ」、デイサービスと宿泊介護を組み合わせた「小規模多機能」などを紹介した。

 社会の高齢化は決して止まることはないと強調する金さんは、高齢者福祉は社会の要求であり、とくに法改正以降、「高齢者福祉の多くが介護保険制度に集中している」と重要性を指摘。「サービスを使わない手はない」と、専門家や役所を通じて制度を理解することが大切だと述べた。そのうえで、制度利用にあたって欠かせないケアマネージャーの役割や意思疎通の大切さを強調した。

 文鐘聲さんは、大阪市生野区での綿密な調査結果に基づいて、「生きがいづくり」の大切さに言及。そのための「場」と支援体制が必要であり、それらが在日同胞高齢者にとっては同胞同士が集うサークルや民族的な「場」であると指摘した。そして、そのためにはコミュニティの中心として、学校や商店街などの再生、活用が求められ、在日同胞にとっては総連支部が大きな役割を担っているのではないかと指摘した。

 文さんによると、例えば顧問になっても学校や総連支部の行事や世代間交流に参加し、その過程で同胞訪問などの活動で社会参加することが一つの生きがいになるという。そして、こうした問題は汎民族的な課題ではないかと指摘する。

 また、区民の生活相談窓口「なんでも相談いらっしゃ〜い」を公・民共同して月に一度、一年間運営してきた経験についても語った。

 続いて意見交換が行われた。この日はホームヘルパーや活動家らの参加が多く、介護にあたる際の注意点や対象、家族と接する際の注意点に関する質問があった。金さんは「まずは相手の話を傾聴し、細かいことからコツコツと信用を得ていかなければならない」と述べ、「技術と心の両輪」が重要だと指摘した。

 また、介護老人保健施設「ハーモニー共和」(大阪)やデイサービス「アリランの家」(川崎)の関係者らが現場での経験を語った。

 連続講座の2回目は、7月26日に朝鮮商工会館で行われる。テーマは「生活相談事業の効果性を高めるために」。(泰)

[朝鮮新報 2008.7.22]