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原点回帰

 朝・日国交正常化と友好親善を目指す市民運動が再び盛り上がりを見せている。

 24日には都内で、朝・日関係改善と東北アジアの平和に向けて努力してきた各地の諸団体・個人が集まる全国交流会議が開かれた。会議では、東京中心だった従来の「東北アジア連絡会」が「日朝国交正常化連絡会」という全国組織として再出発することが宣言された。市民集会やシンポジウムの数も以前に比べて増えた。すべてを紹介することはできないが、さまざまな取り組みが各地で進められている。また、両国関係が冷え込む中でも多くの訪朝団が平壌を訪れている。

 6者会談の進展や北京で行われた朝・日政府間実務会談(6月)、超党派の日朝国交正常化推進議員連盟の結成(5月)など政治の表舞台の華やかな動きに目を奪われがちだが、地道な民間レベルの取り組みが、これら大きな動きの下で地下水脈のごとく流れていることを忘れてはいけないと思う。

 「道に迷ったら原点に戻れ」

 山登りにおける鉄則だという。

 先日、ある市民集会を取材した時、参加者の一人が自身の運動の経験に基づいて口にした言葉だが、得心した。民間の運動でも政府同士の外交交渉でも、道に迷ったときは「原点回帰」が必要だ。

 日本が「拉致」という「迷路」にはまり込んで久しい。ゴールにたどり着くためには、自らの立ち位置を確認し周辺環境を正しく認識できる地点に戻ることが必要だが、機を逸すると迷走が深まり来た道すらたどれなくなってしまう。(相)

[朝鮮新報 2008.7.28]