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平壌からの帰路に思う

 新潟(日本)−ウラジオストク(ロシア)−平壌(朝鮮)。約4カ月前、朝鮮へと向かった旅路だ。

 その逆のルートで日本に「入国」した。行きは日本から朝鮮へと渡ったのが記者一人だったため、あまり気に留めなかったことがある。高齢同胞たちの、朝鮮渡航の困難さだ。

 平壌からの帰り道、今度は他の同胞たちと一緒だった。知り合いもいたため、「一人さびしい空の便」にならず、楽しかったのだが、その中には高齢同胞たちがいて、その「困難さ」を目の当たりにすることになった。

 日本当局の「経済制裁」により、「万景峰92」号の渡航が禁止されて久しい。その間、高齢の同胞たちから、「飛行機で行くのは大変で、朝鮮に行きたくても行けない」という話をよく聞いたが、実際には想像していた以上だった。

 重い荷物を持ち、長い距離を歩き、階段を上り下りし、外国の空港で飛行機を乗り換え…。

 若い記者でも疲れるのだから、高齢者にはいかほどか。それでもロシア経由はましな方らしく、北京、または瀋陽−大連を経る中国のトランジットはもっと大変だという。

 9月1日、日本の首相がまたも、政権を「放り出した」。平壌でも、そのことに関連した質問を何度も受けた。それが在日同胞社会に与える影響を、彼らは知っているからだ。

 「次の首相は誰になりそうだ? 誰でもいいから、『万景峰92』号を動かせ!」。平壌の知人が、憤っていた。(茂)

[朝鮮新報 2008.9.29]