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「民主主義国家連盟」

 米国が朝鮮に対する「テロ支援国」の指定を解除したことについて、米大統領選の民主党候補オバマ氏が条件付きながら評価したのに対し、共和党候補マケイン氏は強い懸念を表明した。この違いは、「国益に必要なら対話する」オバマ氏と、「無条件の対話の危険性」を訴えるマケイン氏の外交姿勢を反映している。

 マケイン氏は、民主主義、自由主義、市場経済など「共通の利害、価値観、理念を共有する国々」が連帯し国際問題や地域紛争の解決に取り組む「民主主義国家連盟」なる構想を表明している。NATOのほか、EU諸国、日本、南朝鮮、オーストラリア、インド、イスラエルなどを視野に入れている。一方、ロシアや中国、反米諸国は排除されている。

 結局は、国連安保理で「米国が必要とする」決議が行われないことに対する対抗策だ。「ならず者国家」に対する制裁や軍事行動について、国連安保理で否決された場合、「連盟」として行動する。加盟国には義務を課す。軍隊派遣か「連盟」脱退の選択を迫られる訳だ。

 構想の起源はオルブライト元国務長官が1990年代に唱えた「民主国家共同体」構想にある。民主党発という訳だ。実際、オバマ陣営にも賛同者がいる。

 柔軟姿勢であれ強硬姿勢であれ、米国式民主主義を押し付け相手を屈服させる根本的な考え方は同じだ。イラクやアフガニスタン、旧ソ諸国に対して行ったブッシュの「レジーム・チェンジ」策と変わらない。新たな「危機」を生み出し戦争し市場を拡大しないかぎり生きられない。帝国主義米国の宿命だ。(春)

[朝鮮新報 2008.10.14]