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志を残す使命

 「精力的に商工会の活動をするあまり、会社経営がおろそかになってしまったというのはよく聞く話。でも経営することだけが、私たちの使命ではない。それだけだったら虚しいじゃないか」

 朝鮮建国60周年を迎え、各地で記念行事が行われた。並行して学校や団体の創立60周年を記念する集いも行われた。冒頭の言葉は、大阪のある商工人の言葉。「祖国と組織のために活動することは、決して経営を放棄することではない。金を残すことだけではなく、志を残すことが商工人の使命でもある」と語る。

 大阪商工会も創立60周年を迎えた。記念式典は使命感と誇りに満ちていた。喜びが大きければ大きいほど、後世に歴史と誇りを残すことがいかに難しいかを痛感する。同胞たちは今、「歩んできた道が正しかった」ことを確認している。

 関東大震災時の朝鮮人虐殺も85周年という歴史の節目を迎えた。虐殺を題材にしたマダン劇を見ながら、正しい歴史を後世に残していかなければいけないと思い、なぜ怒りがこみ上げてきたのかを自問した。すると、ウリハッキョで歴史を学んだからという答えにぶつかる。知らなかったらもっと別の感情を抱いていたかもしれない。民族教育という歴史を残してくれた先代たちに感謝している。

 過去を知らなければ、歴史について考えることはできないと思う。残念なことに、国旗に対して礼を欠く朝鮮学校の生徒がいた。いかにして国旗が守られてきたのか、認識が希薄なのだろう。誇りと虚しさは相容れない。虚しさから使命は生まれない。(丘)

[朝鮮新報 2008.10.20]