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ユーラシア鉄道新時代へ

 先日着工した羅津−ハッサン鉄道の改修と羅津港のコンテナ埠頭建設。周辺国のみならず、遠く離れた欧州諸国も関心を示す背景には、ユーラシア大陸において盛んに進む国際輸送網の建設がある。

 現在、大陸間国際輸送は海上と陸路(主に鉄道)を組み合わせた「ランドブリッジ」方式が主流。ルートの拡大と高速化によって鉄道輸送の重要性はさらに増している。とくに、ユーラシアの中央部に広大な領土を持ち、欧州、中近東、東アジアなどの主要地域を鉄道やパイプラインでつなぐことができるロシアは世界的な「ランドブリッジ」の中枢だ。石油や天然ガスなど豊富な資源を背景に経済成長を続ける同国にとって今回のプロジェクトは、朝鮮半島全体に輸送路を拡大し、東北アジアにおける権益を確保するうえで重要な意味を持つ。

 中国も然り。東北地方の経済発展推進という観点から羅津に対する独自の開発計画を構想していると、着工式を取材した中国人記者は語っていた。

 また、内陸国のモンゴルや欧州諸国の大使館関係者も、「シベリア鉄道を通じて東北アジアに抜けるルートの構築は輸送時間と経費の大幅な削減をもたらす」と朝ロ共同事業に期待を寄せる。

 ユーラシア鉄道新時代は訪れるのか。各国の思惑はさまざまだが、朝鮮半島がカギとなることは間違いない。ロシアと南朝鮮は先ごろ、朝鮮半島縦断パイプラインの敷設と鉄道連結について話し合ったが、ロシア鉄道関係者は「実現には北南関係の改善が不可欠」と強調する。李明博政権は、どう応えるのか。(相)

[朝鮮新報 2008.11.4]