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和歌山の同胞

 和歌山朝鮮初中級学校創立50周年記念式典を取材した。アットホームで和やかなムードで行われた式典、同胞と子どもたち一人ひとりを尊重し思いやる和歌山同胞の温もり、人情の厚さを感じた。

 実行委員会は若い世代の学父母を中心に構成。委員らは広い県内を車で何時間も走り、同胞を訪ね協力を得た。若い世代の頑張りに同胞たちは協力を惜しまなかった。年金から数万円を出して寄付した高齢同胞の協力に涙も流した。

 学校財政に言及されたある会議で、30代の実行委員長はこう言い放った。

 「絶対に学校を担保に入れたらあかん! それやったらオレの生命保険を抵当に入れたらええ!」

 普段は温和で口数の少ない実行委員長が学校にすべてを捧げる覚悟を示した。その男気に惚れ込んだ、ある年上の実行委員は、「こいつに最後までついて行こう」と誓ったという。

 教員を敬う同胞の姿勢にも驚かされた。

 同胞たちは、「ここの生徒はみんな真面目で、勉強も部活も一生懸命だ。朝高や朝大に行ってもそれは際立っている」と口を揃える。

 その要因を探ると、「教員が熱心だったから」と、これまた口を揃えた。

 ある女性は「教員が一生懸命だから、みんな遠くても安心して子どもを送れた」と。

 この期間、教職員らは50周年を輝かせようと夜遅くまでさまざまな仕事をこなした。そんな姿が同胞の心を動かし、学校に対する印象を変えた。それが寄付金の増額となって表れたという。(泰)

[朝鮮新報 2008.11.17]