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「おやじ」に代わる呼称

 「ザ・おやじファイト」を初めて取材した。33歳以上の「おやじ」たちが、リング上でたたかうボクシングのイベントだ。

 最近、テレビやラジオで盛んに取り上げられるようになった「ザ・おやじファイト」だが、在日同胞が多数参加していることはあまり知られていない。取材に行った時は、日本選手と在日選手の対抗戦に未経験者も含む30〜40代の5人の同胞が出場した。

 会場には知り合いや家族などが多数つめかけ、熱い声援を送った。そんな中、勝った選手はもちろんのこと、負けた選手も悔しがりながらも満足げな表情だった。

 ボクシングに限らず、サッカーをはじめとするさまざまなスポーツを続ける同胞の「おやじ」は各地にたくさんいる。地域のサッカーやソフトボールの大会などを取材すると、誰もが真剣そのものだ。

 しかし、それらの大会は純粋なスポーツ大会ではなく、地域同胞社会の活性化や朝鮮学校を支援するために行われている。同胞の「おやじ」たちも十分承知しているが、「勝負をするからには勝たなければ」という思いが強い。かくいう私もすでに「おやじ」世代だが、スポーツになると誰よりも真剣になってしまう。

 「おやじ」と呼ばれる世代とは言え、同胞社会の中では他の世代の先頭に立って引っ張っていく「主力部隊」だ。

 そんな熱くて頼もしい世代に、「おやじ」に代わるもっとふさわしい呼称はないものか、と一人で思案する今日この頃である。(松)

[朝鮮新報 2008.11.25]