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缶ビール1本の宴会

 「関東地方囲碁協会対抗団体戦」(11月29日、東京・上野)の取材前、ちょっと気になることがあった。事前に、主催者の在日本朝鮮人囲碁協会から当日の流れや競技のルールなどが記されている案内書が送られてきたが、そこには「参加費:1チーム3000円(1人1000円)」「午後5時から小宴」と書かれてあった。会場使用料、入賞チームへの賞品(囲碁関連ビデオテープ、書籍)などの諸経費がかかるのに、1人あたり1000円の予算で宴会までできるのかと不思議だった。

 小宴のメニューは、一人あたり缶ビール1本と少々の乾き物という質素なものだった。

 個人戦は各地で頻繁に行われてきたが、団体戦が行われるのは8年ぶり。出場者以外にも多くの同胞愛好家が会場に足を運んだ。せっかくの機会だから交流の場を設ける一方、神奈川や千葉、埼玉など遠方からの参加者に対する配慮から1時間弱の小宴を行う流れになったと、関係者は説明していた。

 素朴な宴会だったが、笑いと拍手の中で各チームの代表らが自らの協会の自慢話や個人戦とは違った団体戦の楽しさを語るなど大いに盛り上がった。

 発言を通じて、20年もの間地道に活動してき埼玉県囲碁協会をはじめ各地協会が活発に活動していることがよく分かった。また、東京・大田では東京朝鮮第6初級学校生徒を対象に囲碁教室を開くなど新たな試みもある。共通の趣味をもって在日同胞社会を影で支えている囲碁愛好家たちの情熱を感じた。(姜)

[朝鮮新報 2008.12.15]