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時には手紙を

 インターネットなどの目ざましい普及とともに、社会的に指摘されて久しい「活字離れ」。とくに若者たちに多い傾向だといわれている。

 昨年末、北海道新聞社広告局が実施した意識調査(道内居住の「Doshinネット」利用者男女850人対象)によると、「インターネットの普及により自分自身の利用頻度が下がったと思うもの」という質問の回答の第1位は「手紙・はがき」だった(全体で68.3%)。

 しかし、手紙を書かない、本を読まないからといって、いちがいに文字から離れているともいえない。実際、「チャットやメール、ネット検索で毎日、文字に触れている」という声がある。手紙などはまったく書かなかったという筆不精な人も、メールと出会ってからは、毎日数人にメッセージを送り、コミュニケーションを取るようになったという話を耳にする。

 キーをぽんと押せば、一瞬にして何人にもメッセージを送ることができる。遠く海外にいる友だちでも、メールのやりとりを毎日続けていれば、その人と会っているような、身近にいるような感じさえする。

 しかしながら、利便性だけを買い、大切なあいさつやお礼までもメールで処理するのは悲しい気がする。やはり、心のこもった手書きの文章は、受け取る人の心に一段と響く。友人からの手紙を手に、ふと思った。

 奇しくも年末。お世話になった方々に年賀状を書こうとペンを執ってみる。(裕)

[朝鮮新報 2008.12.22]