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朝鮮学校など外国人学校の処遇改善問題で伊丹市議会が要望書採択

 総連兵庫・伊丹支部では、朝鮮学校をはじめとする外国人学校の処遇改善を求める「20万人署名運動」を全同胞的に展開する一方、伊丹市議会議員への要請活動にも力を注いできた。その結果、8日に行われた定例市議会で、国への意見書提出の請願書が採択された。

 この間、総連と女性同盟支部、学校、オモニ会では議論を重ね、処遇改善に関する提案を支持する与野党の市議会議員を訪ね要請を行った。

 また、総連と女性同盟支部、学校、オモニ会の代表らは市長、市議会議長と副議長、6つの党派を訪問して資料を手渡し、朝鮮学校をはじめとする外国人学校が置かれている現況について説明した。

 説明を聞いたある市議会議員は、「インターナショナルスクールには認められている寄付金の損金扱いが、朝鮮学校などのアジア系学校には認められていないのは明らかな差別だ。これは『拉致』問題とは関係ない別個の問題だ」と述べた。

 定例市議会を傍聴した代表らは閉会後、各党派を訪問して今後も助成金をはじめとする民族教育権の擁護に支持と協力をしてくれるよう訴えた。【伊丹分局】

外国人学校の処遇改善を求める意見書

 日本には現在、200万人を超える外国人が暮らしており、210校以上の外国人学校があり、その1つが伊丹市にもある。日本社会において、国際化が進み、人々に対する国際理解教育がますます重要性を帯びている昨今、北東アジアの理解のために朝鮮学校は重要な役割を果たしてきたと考える。

 外国人たちは自力で学校を運営し、子どもたちに自国の言葉や文化を教えながら、同時に日本の言語、地理、歴史、政治、文化などについても学習させ、近隣の日本学校、地域住民との相互理解を深めている。また、外国人学校で学んだ子どもたちは、日本の「多文化共生社会」「国際平和」の実現のために、さまざまな分野で貢献していることも事実である。

 伊丹市においては、朝鮮学校に対して児童の就学援助制度を設置し、震災時の新校舎建設に当たっては補助金を出すなど、努力を重ねてはいるものの、外国人学校への国の支援が十分でないために、学校運営は寄付に頼らざるを得ない状況である。何より、寄付を集めやすくする税制上の優遇措置は、欧米系のインターナショナルスクールには適用されているが、いまだ朝鮮学校や中華学校などには適用されていない。日本弁護士連合会は2008年3月、国に対してこのような差別的取り扱いを改善し、朝鮮学校、中華学校などにも税制上優遇措置を適用するよう勧告を出したところである。

 よって、国におかれては、この勧告を重く受け止め、朝鮮学校、中華学校をはじめとするすべての外国人学校の処遇改善をし、下記の事項を実現されるよう強く要望する。

 1、すべての外国人学校に対し、所得税法及び法人税法上の指定寄付金制度を適用すること。

 2、すべての外国人学校を所得税法及び法人税法上の特定公益増進法人制度の適用対象として取り扱うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

平成20年10月8日 伊丹市議会

 (提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、財務大臣、文部科学大臣

[朝鮮新報 2008.10.29]