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西東京第1初中 「安全に通学できるよう」 ポール、看板を設置

日本の市民団体など市に要請

 西東京朝鮮第1初中級学校(東京都立川市)周辺通学路の安全対策として昨年末、校門前にポール3本と自動車に注意を呼びかける看板などが新しく設置された。同校と立川朝鮮学校支援ネットワーク・ウリの会が、生徒たちの安全を守ろうと1年を通して調査報告、市に要請し実現させた。ウリの会は、立川にある朝鮮学校を取り巻く問題に取り組む市民団体や朝鮮学校のアボジ会やオモニ会など7つの団体でつくるネットワークである。

 立川市錦町4丁目に位置する同校は、「みのわ通り」「立川南通り」「立川通り」「甲州街道」といった交通量の多い道路に囲まれていることから、「抜け道」となりやすく周辺の交通量も多い。また大型車両の往来もひんぱんである。

 生徒たちは自転車、または最寄り駅である西国立駅(JR南武線)や立川南駅(多摩モノレール)から徒歩で通学しているが、通学路であることを知らせる標識などは極めて少なく、安全が十全に保障されているとは言えなかった。同校の卒業生(25、東大和在住)も、「ガードレールなど整備された歩道がなかったため、常に周囲に気を配って通学せざるをえなかった。大事には至らなかったが、接触事故がなかったわけではない」と当時を振り返る。

 生徒たちの通学安全対策を見直すに至ったきっかけは、昨年2月10日に行われたシンポジウム「朝鮮学校支援を酔軒(ウリ、わたしたち)の課題へ〜地域と地域をつないでもう一歩前へ〜」での参加者からの緊急動議だった。即座に学校周辺通学路の安全対策を講じることを強く求める署名が集められ、立川市道路課に要請、入学式を控えた翌3月には「この先学校あり」の看板が1基設置された(写真)。

 その後もウリの会では、月1回の定例会で引き続き安全対策について議論、「学校周辺交通安全対策調査報告書」が作成された(5月21日)。

 これを元に8〜9月、数回にわたり立川市(道路課)への要請、協議を重ねた結果、10月13日にさらに看板が2基、11月22日に学校校門前にポール3本が設置された。

 この他に、同校所在地域の立川3中学区PTA連合懇親会(11月9日)で、同校の取り組みが報告され学校ごとに格差があることから、地域の共通課題として共に取り組んでいくことが確認された。

 同校が位置する総連西東京中部支部の蘇汶Q委員長は「これからも学校、地域同胞、市民が三位一体となってしっかりとスクラムを組んでいきたい。行政との活動はとくに」と話している。また、「目に見えるかたちで学校に貢献していきたい」と述べた。

 しかし、日本各地の朝鮮学校を見渡せば、生徒たちの安全を確保するうえで同様の問題、またはより深刻な問題を抱えている地域がある。

 愼基成校長は、生徒たちの安全を十二分に確保するうえでは「見直す余地はまだある」としながらも、「いい機会になった。同校のみならず、すべての地域の生徒たちが安全に通学できるよう、本校の経験を生かしてほしい」と語った。

[朝鮮新報 2008.1.23]