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全校児童の全作品 口演大会で金 南武初級の取り組み

教師が一丸となって手本に 

 朝鮮学校に通う初級部高学年以上の児童・生徒を対象に毎年開かれる在日朝鮮学生中央口演大会と、初級部低学年の児童を対象にした東日本地方低学年口演大会。今年度の大会に南武朝鮮初級学校(神奈川県川崎市)は、全校児童37人が出場し、全作品が金賞に輝いた。同校の出場と好成績はもはや「伝統」となりつつあり、他校の教員たちの間では「南武を目標に」との声もささやかれるほど。南武初級を訪ね、教員と児童たちに話を聞いた。

国語教育の集大成

演劇「一生懸命学びます」(1年)

 同校一のベテラン教員である成明美先生(6年担任)によると、同校では口演大会を「日頃の国語教育の成果を発表し、客観的な評価を受ける場」として位置づけ、日常的に母国語教育に学校を挙げて力を注いでいるという。毎年出場者は、高学年は6年生、低学年は3年生を中心に、そのほかはオーディションで選出する。惜しくもオーディションにもれた児童たちが涙を流して悔しがる光景も見られるとか。成先生いわく、「児童はその悔しさをバネに成長する」という。

芸術宣伝「ウリを知って大切にしよう」(2,3年)

 口演大会審査委員たちも同校を高く評価している。初級部低・高学年演劇部門の朴成徳・朝大文学歴史学部教員は、「話術と演技のレベルが、他校と比べずば抜けていた。演劇にはたくさんの児童が出演しているが、全般的な水準が保たれ、話術、演技ともに下手な児童を見つけられないほどうまかった。脚本を手がけた先生たちは日頃から子どもたちをよく観て、指導していると思う。子どもたちの生活が実によく描かれていた」と話した。

 また、孟福実・朝大教育学部助教授は、「南武の好成績は、日頃の国語教育の集大成だろう。口演大会のみならず、作文コンクールや統一試験でも高い成績を収めている。一部の児童だけではなく、すべての児童が朝鮮語の話術能力に長けてるという点は、全国でも見習うべき」と称えた。

「好成績」の秘訣

芸術宣伝「ウリの力」(6年)

 「好成績」の秘訣について成先生は次のように語る。

 「80年代後半から90年代初めにかけて、総連の『模範学校運動』が活発に展開される中、わが校でも学校と同胞社会、家庭が一丸となって、『母国語使用』に取り組んできた。教員たちは授業中の発言をも含め、間違った朝鮮語を正すよう努力した。単設初級学校だけに朝大文学部など、朝鮮語の専門教育を受けた教員がいない中、すべての教員が努力を重ね、手本となることが求められた。努力の甲斐あって児童たちの意欲も高まり土台を築き上げた上に今日の成果がある」

 ほかの先生たちも、本校に「特別能力の高い教員が配属されているわけではない」と口をそろえる。

おはなし「ゆれない力」(6年、李怜美)

 尹春花先生(1年担任)は、「成果は日頃の蓄積が舞台の上で開花しているもの。演劇や芸術宣伝は子どもの生活や感情に密着したものでなくては表現しづらい。教員たちは常に子どもたちの生活に関心を寄せて、子どもたちに合う作品を作っている」と話した。

 また、新任の「洙讃先生(3年担任)は、「私自身、学生時代に口演大会出場の経験はなく、初めて脚本作りや児童の指導に当たった。この間、先輩教師たちからたくさんのことを教わった。まだまだ自分の発音や朝鮮語の水準が手本レベルにないので、一日も早く児童の手本になれるよう努力している。本校の先生たちには授業やウリマルに対する姿勢など、教育者として学ぶことが多い」と語った。

 同校では、児童の間でも、国語の時間に習った新しい言葉を使ったら花の磁石をあげる(3年)、一日の中で感じたことを朝鮮語の文章で表現する(6年)といった取り組みが日常的に行われている。

児童の気持ち

演劇「約束」(4,5年)

 子どもたちも口演大会を通してたくさんのことを学んだようだ。「優秀作品」にも選ばれた芸術宣伝「ウリ(僕ら)の力」に出演した6年生は次のように感想を述べた。

 「口演大会の練習中に、脚本を通して曾おじいさんやたくさんの同胞たちが、ウリハッキョと総連組織を自分の家のように大切に守ってきたことを知った。そして、私たちのために尽くしてくれた全ての人たちに感謝の気持ちを伝えたいと思った。今後はこの伝統を私たちが継いで行かなくてはならない。ウリマルを一生懸命学び、これからも美しいウリマルでたくさんのことを伝えていきたい」(李怜美さん)

 「口演大会を通じて、総連の力、同胞の力がどれほど大きいかを学んだ。日本人が何と言おうと、僕たちはウリハッキョがあって、ここでウリマルと歴史を学ぶ限り、朝鮮人の心をなくしてはいけない。辛かったけど、一生懸命練習して、金賞、優秀作品にも選ばれたので本当にうれしかった。僕らの芸術宣伝を見て感動の涙を流すハラボジ、ハルモニもいた。これからも勉強をがんばって南武の伝統を輝かせるよう努力していきます」(禹聖浩くん)(金潤順記者)

[朝鮮新報 2008.2.29]