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朝大第50回卒業式 「感謝」を胸に同胞社会へ

それぞれの熱い思い 〜教員、法科大学院、朝青専従〜

 朝鮮大学校(東京都小平市)第50回卒業式が10日、同校で行われ、卒業生らと共に総連中央の徐萬述議長、許宗萬責任副議長、南昇祐副議長、張炳泰学長、教職員、学父母らが参加した。式ではまず、許宗萬責任副議長が朝鮮民主主義人民共和国教育省から送られてきた祝電を紹介した。つづいて、徐萬述議長が祝賀のあいさつを述べた。張炳泰学長が学事報告を行ったあと、卒業生たちに卒業証書が手渡された。また、朝鮮教育省の表彰、卒業論文賞などの各表彰や賞が授与された。式終了後、卒業生らによる公演が披露された。また、卒業生や学父母、教職員らを招き祝賀宴が開かれた。

希望と抱負を胸に抱き、式を迎えた卒業生たち

 50回という節目の卒業式を迎えた卒業生たちは、在日同胞社会の発展のために尽力しようとさまざまな思いを胸に、朝鮮大学校の門をくぐった。

 外国語学部を卒業した李純一さんは、福島朝鮮初中級学校の初級部1年から朝大までの16年間を、親元を離れ寄宿舎で過ごした。その思いと両親への感謝を手紙に綴った。

 初級部の頃、週末に家から学校まで往復3時間の道のりを、父が車で送ってくれた思い出などについて語りながら、「民族教育の重みを実感した。また大切な友との出会いが一番の宝物だ」と話した。

 李さんは、4月から母校で教べんを執る。17年目の寄宿舎生活が始まる。

 「生徒たちに勉強だけではなく、他人を思いやることのできる心を持った人間に育ってほしいと思っている。今までもらった多くの恩を母校に返し、親心をもって生徒たちを見守っていきたい」と目を輝かせた。

 父親の李益正さんは、中級部1年生から朝鮮学校に通った。「自分の子どもは、朝鮮語や踊りなど基礎からきちんとできるように、初級部1年から朝鮮学校に送りたかった。教員生活まで寄宿舎で送ることになった息子を、これからもずっと応援していきたい」とエールを送った。

 「『同胞弁護士』になる!」とほほ笑んだ金星姫さんは、父も学んだ政治経済学部を卒業した。すでに立命館大学法科大学院に合格。「父、母は30年間、同胞社会のために歩んできた。私も同じ道で、専門知識を持って、同胞社会を守るために貢献していきたい」と話した。

 総連大阪・東成支部委員長を務める父の金鉉二さんは「私たち家族は背が低いのが共通点だが、小柄ながらも、娘は揺るぎない信念を胸に、ここまで育ってきたのだと思う。32年ぶりに母校の卒業式に参加した。卒業生らの凛々しい姿を見て、愛族愛国活動の基礎がここにあると感じた。明るい未来が見える」と誇らしく語った。

 短期学部を卒業した呉美弥さんは、日本の高校からの編入生。「民族教育を受けた2年間は、とても幸せな時間だった。思い出といえば、やはり編入班の『100日間運動』。1年生の時は、寝る間も惜しんで朝鮮の言葉や文字を習い、2年生の時には、後輩の指導もできるようになった。大阪で朝青の専従として活動していくことになった。朝鮮人として堂々と生きていくことを胸に刻み、在日朝鮮人運動の一翼を担っていきたい」と力強く語った。(文=李東浩、姜裕香記者、写真=文光善記者)

[朝鮮新報 2008.3.14]