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朝・日学生フレンドシップフェスタ 「2008年宣言」を発表−新たな視野求め信頼関係構築へ

朝大発「友好のカタチ」

 「KOKOからはじまる」をテーマに朝鮮大学校学生と日本の大学生が共同企画した「朝・日学生フレンドシップフェスタ」(主催=同実行委員会)が9日、朝鮮大学校(東京都小平市)で行われ、日本市民、大学生、朝大生をはじめとする同胞ら2500余人が参加した。フェスタは、朝青朝鮮大学校委員会第50回大会の二日目の行事として行われた。

多彩なジョイント企画

朝大を卒業し、スポーツ界で活躍する朴光哲、鄭大世、徐吉嶺選手(右から)

 「KOKO」とは、朝鮮と日本の友好を小平(KODAIRA)から、朝大(KOREA UNIVERSITY)から始め、明るい未来を築いていこうという朝・日大学生の願いが込められている。友好を謳ったジョイント企画など多彩な催しが準備された。

 中庭特設ステージでは、朝大プンムルノリクラブと早稲田大学プンムルノリサークル「シナウィ」によるセッション、軽音楽団による野外ライブ、KOKOレンジャーショー、テコンドー演武、大喜利、腕相撲などが行われ、朝大の舞踊部、民族器楽部、声楽部による公演も披露された。また、ステージでは総合格闘家の朴光哲(31、KRAZY BEE所属)、プロサッカー選手の鄭大世(24、J1・川崎フロンターレ所属)、プロラグビー選手の徐吉嶺(23、TOP LEAGUEヤマハ発動機ジュビロ所属)の3選手と金剛山歌劇団団員ら朝大卒業生が紹介された。歌劇団はミニコンサートで会場を沸かせた。

2500余人が参加したフェスタ

 自然博物館、歴史博物館の公開でにぎわった記念館講堂では、「朝・日(日朝)大学生友好ネットワーク」3周年記念シンポジウムが行われた。同ネットは学術文化交流、自然保護活動などを目的に2005年11月6日の朝大学園祭の場で結成された。今回のシンポでは、3年間の活動を総括し朝・日平壌宣言発表後の朝・日、朝米関係などを分析。朝・日平壌宣言発表10周年に向けた活動計画も提示した。

 焼肉の香りが漂い屋台の活気が伝わる校内では、朝大生と日本の大学生が参加者のために準備した催し物が好評だった。白梅短期大学生とのキッズランド(一日保育園)、早稲田大学生との句会、武蔵野美術大学生との似顔絵コーナー、写真展、コラボTシャツ販売、東京国際大学下羽ゼミ生との研究展示会は今後、朝・日大学生が友好をテーマに歩んでいくうえでの象徴的な場面だった。

 運動場では西東京朝鮮第1初中級学校初級部生徒と遠藤塾サッカーチーム、朝大教職員チームと小平市役所職員チームによる朝・日サッカー大会、体育館では東京朝鮮初級選抜と神奈川朝鮮初級選抜のバスケットボール、図書館では「北南コリアと日本のともだち展」が催されたほか、朝鮮文化体験コーナー、3分間ハングル講座、平壌で文化交流した経験を持つジャズピアニスト・河野康弘さんのミニコンサートなどが行われた。

あらゆる実践力を示す

 フェスタ参加者らは、朝・日大学生の企画力と実践力が示されたあらゆる催しと青春を謳歌する大学生の姿に共感していた。

 朝大を初めて訪れたという福岡学生会会長の李麻美さん(福岡県立筑豊高等学校3年)は、緊張した面持ちで「夏のサマースクールに朝大生がきてくれて、いろいろな話を聞いて『いいなぁ』と興味をもっていた。実際、朝大には『カタいイメージ』を抱いていたけど、来てみたら見た目も考え方も正統派でしっかりしていた」と感激していた。

 東京国際大学の故・下羽友衛さんの夫人である下羽初枝さん(52)は、笑顔で会場を見回していた。「朝大でこんなに多くの日本人大学生を見たのは初めてで、企画も楽しい。日朝学生交流の幅に広がりが出ているのだろう。今回の取り組みのように、青年は若いときこそ勇気をもって外に出ていってもらいたい。体育学部のマッサージがあればもっと良かった」と破顔一笑していた。

 また、小平市居住のある日本人男性(62)は「気楽にくることができた。朝大の先生ともささやかな市民のつながりを作っていきたいと思った」と話していた。

 一方、フェスタでは、「朝・日(日朝)大学生友好ネットワーク 2008年宣言」が発表された。同宣言では、朝・日平壌宣言発表10周年を迎える2012年に向けて今後、▼朝・日(日朝)国交正常化のための信頼関係を構築し、▼朝・日大学生による清掃活動が目的の「KJC(小平−上水クリーンズ)」など、地域社会貢献活動を継続し、▼さまざまな催しを行いネットワークの規模を拡大する−ことなどが明らかにされた。

 フェスタ実行委員会の李民赫委員長(朝青朝大委員会第49期委員長、政治経済学部4年)は、「朝青朝大委員会の半世紀の歴史を継承し、在日朝鮮人運動に力を与えたいという一心で朝大生らは日本の大学生と未来の友好のための実践活動に取り組んでいる。『学習第一主義』の風潮を確立し朝・日平壌宣言10周年に向けまい進する朝大生の気概に注目してほしい」と語っていた。(李東浩記者、写真提供=朝大・全賢哲氏)

[朝鮮新報 2008.11.17]