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在日朝鮮学生学術文化祝祭2008 論文発表、文化公演、討論会など 「目指すところは同じ」

同胞社会の未来開拓を

 「在日朝鮮学生学術文化祝祭2008」が6、7の2日間にわたって朝鮮大学校で行われ、朝大と日本各地の留学同の学生らが参加した。学生たちは寝食をともにしながら学術、文化交流を通じて互いの活動を理解し、在日朝鮮人運動の担い手として互いに同じ目標を持ち、学問探求やそれぞれの活動に邁進することを確認し合った。

活発に交流

「ウリマル雄弁大会」

 「新しい段階の在日朝鮮人運動の未来を開拓する理論と実践」をテーマに行われた今回の祝祭では、シンポジウム、分科別論文発表会、ウリマル雄弁大会、文化公演、研究や活動を紹介するポスターセッション、討論会などが行われた。

 分科別論文発表会は祖国統一と国際政治、社会と歴史、ビジネス、言語と文学、教育とアイデンティティ、科学と技術、体育・医療・福祉に関する8つの分科に分けて行われた。また、朝青、留学同、人権協会、青商会、朝青朝大委員会、女性同盟、科協、医協がテーマを提示した委託論文の発表もあった。114編の応募の中、審査を通過した84編が発表され、16編に論文賞が授与された(7編は委託論文賞)。

 ウリマル雄弁大会初級部門では、日本学校から朝大に進学した朝大生が同胞の同級生と出会った喜びを、朝鮮人と日本人の「ダブル」であることに悩んでいた学生が留学同との出会いによって朝鮮人としての誇り持つようになった経験などを語り、聴衆の感動を誘った。

 留学同の学生たちは朝大生の寮に泊まった。朝大生たちは歓迎会を開くなどしてもてなし、夜遅くまで互いの研究や生活、進路などについて意見交換した。

初の共同研究

音楽を通じた交流も

 論文賞のなかには初めてとなる朝大、留学同の共同研究による論文もあった。

医療、福祉関連の大学、専門学校に通う同胞学生による「KS医療・福祉ネット関東」と朝大短期学部1年生は、8月から共同調査、研究を行い、医協の委託論文「在日同胞高齢者の生きがいづくりに関する実態調査と展望について」の論文を執筆した。

 朝大生たちは同胞福祉施設や高齢同胞の家を訪問し同胞の声を直接収集し、留学同の学生たちは専門知識を活かして理論的に分析し論文をまとめあげた。

 聖路加看護大学3年の崔賀英さんと朝大短期学部1年の李昌成さんは「初めはどれほどやる気なのかと互いに不安もあったが、実際会って話す過程で互いの気持ちを確認することができた。今は達成感でいっぱい」「単独で研究していたら偏った論文になりかねないので、一緒に研究できたことは大きな意義がある。互いの活動は違っても目指すところは一つだと知った」と述べた。

運動の担い手

論文賞受賞者たち

 朝青朝大委員会と留学同中央は、5年ぶりの合同行事を成功させた昨年の経験に基づき、今回の祝典を学生間の交流と連帯をより深める場にするため、6月に共同実行委員会を発足させ準備を進めてきた。互いの特性の違いから少なからぬ葛藤もあったが、一つひとつ話し合って乗り越えた。

 こうして祝典は、8つの機関、団体が在日朝鮮人運動において重要な問題をテーマに委託論文を提示するなど、大きな関心のなかで行われた。また、論文発表、文化公演、雄弁大会など共同活動も活発になった。

 朝大教育学部3年の金裕実さんは「何度も会って話し合うなかで互いが同じ志向を持っていることを確認した。ただ出会うだけの場ではなく、在日朝鮮人運動の未来を担う決意を共有する貴重な場となった」と語った。

 江戸川医療専門学校理学療法学科2年の金賢寿さんは「初めは互いに知らないこともあったが、交流を通じて克服できた。力を合わせれば大きな役割を果たせるとの確信が得られた。口先だけではなく在日同胞社会の未来が見える」と語った。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2008.12.15]