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「第3回司法書士人権フォーラム」人権作文コンクール最優秀賞 神戸朝高・金幸世さん

 神戸朝鮮高級学校の金幸世さん(高3)の作品が、「第3回司法書士人権フォーラム」人権作文コンクールで最優秀賞に選ばれた(写真)。以下にその作文を紹介する。

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「在日朝鮮人」

 私たちは、生きていく上で嫌でも人権について考えなければいけない。なぜなら、私たちは日本に住む朝鮮人だからだ。

 何気なく学校へ通う時も、チョゴリを着ていると変に注目を浴びてしまう。ジロジロと自分を見る視線が辛い時もある。そういう時に(何でチョゴリを着ているだけでジロジロ見られなきゃいけないんだろう)と疑問に思う。その視線には少しばかり偏見も入っているのではないだろうか。

 道端で日本人と肩がぶつかった。それだけで学校に抗議の電話がくる。「朝鮮人なんて皆死ねばいい」「チョゴリを着たやつは殺す」などと酷い内容ばかりだ。ささいなことでこのような電話がかかってくるため、そのたびに私たち在日朝鮮人には人権があるのだろうかとわからなくなる。日本の人々は未だに朝鮮人を植民地時代の奴隷のように思っているのではないかと不安になる。すごく悲しくもなる。私は高校卒業後、日本の大学に進学する。そして日本の社会で生きていくのだが、期待よりも在日の立場に対する不安の方が大きいのも事実だ。

 ある日、所属する吹奏楽部の活動で淡路市が主催する人権フェスティバルに参加した。在日外国人の人権について考える場でもあったので、在日朝鮮人の本当の姿を見てもらえるよう心を込めて演奏した。私たちが朝鮮民族特有の打楽器を使った演目を披露すると、日本のみなさんは見守るような優しい目で私たちを見てくれた。次に日本の曲を演奏すると、たくさんの方々が曲に合わせて踊りだした。

 それを見た私はすごく感動した。日本には私たちを毛嫌いする人ばかりではない。温かく見守ってくれる人たちもいるのだ。そんな人たちのためにも私たちが偏見や重圧に負けるわけにはいかない。これからもずっと力強く生きていかなければならない。その公演を終えた後、日本の方々の温かさを肌で感じ、在日朝鮮人の人権、そして世界中の人々の人権についてよく知り、一切の人権の侵害のない世界を築きたいと強く願うようになった。

 なので朝高生として過ごせる残りの期間に在日朝鮮人のあるべき姿について学び、それを生かし活躍できるように努力したい。

[朝鮮新報 2008.12.15]