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雲河協同農場 今年も独力で農場経営 労働力の集約、活用に重点

「昨年上回る収穫を」

 【平壌発=記事−鄭尚丘、写真−盧琴順記者】元旦の3紙共同社説で強調されたように、朝鮮では今年も農業を人民生活の向上という目標における重要な課題の一つとして位置づけている。現在、朝鮮各地の協同農場は春の田植えを控えて準備にあわただしい。平安北道雲田郡の雲河協同農場を訪ねた。

 今年の冬は全国的に気温が低く、降雪量は多くなかった。さらに、昨夏には洪水被害があった。今年の農作を成功裏に行うためには、例年にも増して作業を急ぐ必要があるという。

種まき前に畑を整理する農場員たち

 雲河協同農場は、秋季の農作の準備を春季に、春季の農作準備を秋季に事前に行っている。作業量を分散させ、作業工程の適期に集中させるための労働力を正確に確保するルールが定められている。

 同協同農場のソ・グァンホ技師長は、「全ての作業が予定通りに進んでいる」と自信を見せる。農場員も「春の農作準備に関する問題はほぼ解決している。後は田んぼに水を引くことだけなので、必要な場所に必要な力量を集中させることができる」と話している。

 ソ技師長によると、雲河里は他の地域に比べて洪水被害が少なかったという。一部埋没した土地もすでに昨年中に回復した。3月上旬に気温が上がったことで、田畑の状態はとても良いそうだ。肥料の問題は、堆肥生産を1.5倍に増やして脱気現象を防ぎ、適期適所に撒くことで効果が従来に比べ40%増える見通しだ。また、新たに改良した多収穫種子の効果も期待できるという。

 同農場では1976年、労働者、学生などの労力支援を受けずに独力で農作を営むことに関する金日成主席の指示を受け、翌77年から独力で農作を営んできた。今年元旦の3紙共同社説でもこの問題が強調されているが、同農場は全国的なモデル単位となっている。過去30余年間、同農場は全ての生産と農場運営活動を独力で行っており、外部からの支援は受けていない。

ソ・グァンホ技師長

 同農場に特別良い条件が備わっているわけではない。機械設備の面でも、他の農場より多くは整っていない。

 それでも「独力で農作を営むしかなく、またそうしている。独自に農作を営もうとすれば、何よりもまず自分たちは国の主人で土地の主人だという心構えが重要だ」とソ技師長は話す。「われわれは決して個人農家ではない」とも強調する。

 雲河協同農場では農作業工程において適期を逃さず、国が保障する機械や設備を効果的に利用することに基本を置きながら、集団主義の精神で農場の労働力を最大限動員してきた。農業用水路が完工し、田んぼに送る水の問題を電気事情とは無関係に解決することができるようになった。

 同農場では外部支援を受けない農業を実現するために、農場員の潜在力の動員に関心を払ってきた。農業に全ての力を集中できるように、例えば、生活上の問題解決のための各種対策を講じてきた。

 託児所と幼稚園にヤギ乳などを送り、子供を持つ農場員の心配を減らした。また各世帯へ菜種油や石けん、紙など独自に生産した生活必需品を供給した。住居も雲河里当局が主導して建設した。

 このような過程で、土地の主人たる農民たちの自覚は高まっていった。相互扶助の精神が発揮され、収穫高が上がり分配が増えた。

 一方で経営管理を改善させながら、20日かかった分配の計算を2日間で行えるようにした。コンピュータネットワークを通じて全ての田畑の作業状況を把握して、随時に計画と対策を正確に立てるシステムも構築した。毎日、正確な評価が出されることで、農場員の生産意欲もいっそう高まった。

 ある分組長は、「生活水準が日ごとに高くなると意欲もわく」と笑顔で語った。

 雲河協同農場の基本は稲作農業だ。田植えは5月20日に始め、10日以内に終えることを計画している。

 田植えを控えた現在、畑ではジャガイモの植え付けが盛んに行われている。

 ソ技師長は「今年も独自の力で去年より多い穀物生産を目指している。たくさん収穫を上げ、共同社説の課題を達成したい」と力強く語った。

[朝鮮新報 2008.4.9]