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「女スパイ事件」はねつ造 祖平統代弁人談話(要旨)

 祖国平和統一委員会(祖平統)のスポークスマンが2日に発表した、南朝鮮での「女スパイ事件」と関連した談話の要旨を紹介する。

 最近、李明博一味は「女スパイ事件」をねつ造して反北対決騒動に狂奔している。

 検察庁、警察庁、軍機務司令部、情報院で構成された「合同捜査本部」はさる8月27日、「偽装脱北した女スパイを摘発、逮捕」したと発表し、「女スパイ」が軍将校に接近して入手した情報と軍事機密を北に渡し、はては誰かの「暗殺指令」を受けて「毒針」まで受け取ったが、実行には移せなかったなどと奇怪なことまで言った。

 事件が発表されるや好機到来とばかりにハンナラ党をはじめ保守政党、団体、言論は「安保に重大な穴が開けられた」「現役軍人が女スパイに包摂されたのは最近数十年間で初めて」「韓国版マタハリ事件」などと騒ぎ立てて大々的な公安狂風を起こしている。その一方で、今回の事件はこの10年間の「古びた対北政策がもたらした結果」であると公言した。

 今回の事件のねつ造は、初めからあまりにも下心が見え透いた幼稚な詐欺劇なので論じる一顧の価値もないが、その醜態を傍観することができないし、茶番劇にしても度を超えており、われわれの尊厳と対外的イメージまで失墜させようとしている以上、世界の前に事件の虚偽性を明らかにせざるをえない。

女は犯罪逃亡者

 問題の「女スパイ」について言えば、国家と人民に罪を犯して逃走した犯罪者である。

 女が北にいる時、国家および社会の財産に手を出したのは言うまでもなく、個人の財産に被害を加えたものだけでも数回にわたってばく大な額に達し、それによって6年間の労働教化刑を宣告されて獄中暮らしまでせざるをえなかった。

 「女スパイ」と一緒に拘束されたという義父なる者もやはり、北にいる時、定職に就かずに数十回も転職してあちこちさまよった無職の怠け者で、祖国と人民に背を向けて逃走した人間である。

 南当局がこうした詐欺師、怠け者などを「北の某機関が派遣した偽装スパイ」であるとねつ造したのだから、へそで茶を沸かすようなことであると言わざるをえない。

 南の公安当局が発表した「女スパイ」の活動資料を見ても、途方もないでっち上げである。

 「女スパイ」が探知したという「情報」と「軍事機密」は、南朝鮮でインターネットを通じて誰もが検索して見ることのできる公開資料である。

 女から発見、押収されたという「北が与えた」CDなどの「証拠物」も、北の現実を紹介し、大マスゲーム・芸術公演「アリラン」など朝鮮の芸術作品を収録したものであり、南朝鮮にも広く知られて一般の書店や商店で購入できるものである。

 南の軍将校数人が南朝鮮で中国の東北地方に出入りし、詐欺師の女にだまされてみだらな痴情関係をもち、名ばかりの警察官なる者がこの女と結婚までしたというのは、南朝鮮社会では多々あることであり、彼らの恥になるだけで、それが「スパイ」の根拠にはなりえないことは自明である。

 しかも、そのような「女スパイ」を3年前から「容疑点」を捕捉していたにもかかわらず、軍部隊「安保講師」に採用したというのだから、南側の軍と公安当局はすべて目に一丁字もない者であると言わざるをえない。

 結局、今回の「女スパイ事件」は、北で罪を犯して逃走した詐欺師の女一人に「スパイ」という物々しいレッテルを張り付けて資料を加工、ねつ造した完全な謀略劇であることを示している。

稚拙なでっち上げ

 過去にも南朝鮮で多くの「スパイ事件」がねつ造されて物議をかもし出したが、今回のように稚拙な「スパイ事件」のでっち上げは初めてである。

 したがって、今回の「女スパイ事件」は発表されるや内外の物笑いの種となっており、南朝鮮の各階層は「証拠」資料を見て、南側で極少数の右翼を除いて北のスパイにならない人はいないであろうと李明博一味を嘲笑、揶揄している。

 李明博一味があきれた詐欺劇を演出したのは、対内外政策の破たんにより自分らに向けられた注目を他にそらし、民心と世論をミスリードして四面楚歌の危機を免れるためである。

 それはまた、保守勢力を結集して進歩勢力を弾圧し、北南関係悪化の責任を回避して同族対決政策を追求するところにその下心がある。

 歴代の南朝鮮の独裁者が危機に陥る度に「スパイ団事件」をねつ造する常とう手法を用いてきたのは周知の事実である。

 現在、李明博一味は醜悪な事大・売国政策と反北対決策動によって深刻な危機に直面しており、その前途も暗たんとしている。

 南朝鮮の民心は李明博逆徒に背を向けて久しいし、人民の恨みは日増しに高まっている。

 ここから、李明博一味は世論を刺激する何か衝撃的な事件が必要であったし、それによってねつ造されたのが今回の「女スパイ事件」である。

 李明博一味が詐欺と仲買、娼婦だった女まで「スパイ」に変身させて反北対決の舞台に立たせたのは、彼らが現在、どれほど哀れな境遇に追い込まれているのかをそのまま示している。

重大な挑発、冒とく

 今回の事件は、さる7月の金剛山観光客事件に続く、われわれに対するもうひとつの重大な挑発である。

 とくに、今回の事件をわれわれの神聖な国家安全保衛機関と結び付けて世論化しようとするのは、われわれの尊厳と体制に対する冒とく、愚弄である。

 謀略と権謀術数が通じる時代ははるかに過ぎ、こんにちのような明るい世界に古びた「スパイ事件」を持ち出したこと自体が愚かで時代錯誤の妄動である。

 李明博逆徒はこの10年間、世界がどれほど変わったのかを未だ知らず、以前の独裁者らが用いた古びた手法をそのまま繰り返そうとしているが、それが墓場行きの前轍を踏む道であることを肝に銘じるべきである。(中見出しは編集部)

「女スパイ事件」 連合ニュース、朝鮮日報でも疑問点指摘

[朝鮮新報 2008.9.17]